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転生少女と聖魔剣の物語  作者: じゅんとく
第五章 魔の森、攻略!
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嵐の後


「大神官からの命である。ここにいる少女が非人道的な行為をしない限り、如何なる行為であろうとも、決して罪を問う事は許されぬ。もし……この者を捉えようとする輩が居るならば、エルテンシア国を代表として、大神官アルメトロスが、その者を罪人と処し極刑へと課す……とのことである!」


 それを聞いた騎士団が唖然とした。将軍とは言え……仮にも一国の騎士団の頂点に君臨する者が、神殿を代表とする者と行動を共にして、1人の少女を庇っていた。


「大神官の名前付きの文面だ」


 彼は騎士団の長に羊皮紙を手渡す。彼は震える手で羊皮紙の内容を確かめた。


「大神官や貴方が動くと言う事は、やはり……あの少女はリムア姫の生まれ変わりであったか……」


「まだ、確実にそうと決まったわけではないが……可能性として否定は出来ない」


「それにしても……」ルセディは、そう呟きながら騎士団を見回した。


「幾ら過去の出来事とは言え、仮にも自らの命を犠牲にしてまで国を救った王女の転生者に対して縄を掛けるなど、英霊に対する侮辱だと感じぬとは……ここまで我が王国騎士団の質は落ちぶれたのか?」


 彼の言葉に対して頭を下げて騎士団は沈黙して居た。


 騎士団が、もはやリーミアに近付く気配を感じないと知った女神官長が彼女に手を差し伸べて、その場を立ち去るよう、連れて行こうとする。


「さあ……大神官様がお待ちです。一緒に神殿へ行きましょう」


「あ、はい……」


 そう返事をする時、リーミアは騎士団の方へと目を向ける。


「少女に縄を掛けた者は大神官の命により、この場で処罰する!」


 ルセディは自慢の魔法剣を鞘から抜き取り、翼竜から着地する時に近くにいた騎士団に近付いて行く。


「ヒィイイー……」


 騎士団は震えながら膝を付いて、自分が処罰されるのを怖がっていた。


「おやめください!」


 リーミアが騎士団の前に立ち、ルセディを見上げる。


「どう言うおつもりですか?彼は罪を被ったのです。それも、貴女に縄を掛けて……処罰されて仕方ない行為ですよ」


「確かに……貴方の言う通りです。ですが……だからと言って、奪って良い命などこの世には有りません。誰しも間違いは冒します、でしたら……同じ過ちを繰り返さぬ様すれば良いだけの事、彼は今回の事で、過ちを認め、今後2度と同じ失敗を繰り返さぬよう注意すれば良いのでは?」


「確かに、それは一理有りますが……だからと言って、この様な騒動が起きぬ為にも見せしめとして、ここでケジメとして処罰するのも、規律を振るい立たせる為に已む得ない物です」


 将軍が堅物で、簡単に折れそうも無い人物と感じたリーミアは、光の聖魔剣を、その場に置き、騎士団の前に自ら跪いた。


「では、どうしても……この方を切ると言うのであれば、騒ぎの発端を起こした、この私にも責任が有ります。まず最初に私をお切りなさい。その後……彼を、どう処分しようと、水を差す者は居ないので、宜しいかと思います」


 リーミアの行動に、意義を唱えられくなったルセディは「ハア……」と溜息を吐き、剣を鞘に収める。


「かしこまりました。貴女がそう言うなら、彼の処罰は辞めます」


 その光景を見て居た騎士団の長は、過去の出来事を思い出した。


 彼は少年時代、騎士団長だった人と剣の修行をして居た時、彼が生前のリムア姫の事に付いて語ってくれた。


『あの方は……どんな罪深い罪人に対しても、手を差し伸べてくれる、とても優しい方だった。何時も……この世に奪って良い命など、この世には存在しないと……なんて言っていたよ』


 それを思い出した騎士団の長は(なるほど……)と、頷きながらリーミアを見る、彼女の行動に改心した騎士団達は、一斉に集まり、彼女に対して忠誠を誓った。


 無事、事が済むと女神官長リーラが、天馬を連れてリーミアを連れて行こうとするが、彼女は敢えて、乗るのを拒否した。


「どうしましたか?」


「せっかく付き添いの新官達が居るから、彼等と行動を共にします。明日には神殿に着くと伝えてください」


「かしこまりました。その様にお伝えしておきます」


 リーラは一礼すると、そのまま天馬に跨って、飛んで行ってしまった。それを見て居たリーミアは同行の新官達と一緒に、その場を去る。


 王国騎士団達も、ひと騒動が落ち着くと、住民に軽く挨拶を述べて、その場を去って行った。


 まるで嵐が過ぎ去ったかの様に、彼等の庭が元の落ち着いた場所に戻ると、夫婦はリーミアから受け取った物を確かめようと、掌を広げると……


 ジャラジャラ……と、音を立てながら掌から金貨が数枚落ちて来た。


「ひええ……!あ、アナタ、こ……これ、き……金貨よ!」


「あ……あの娘さん、こんなに沢山も!」


 彼は慌てて、金貨を返そうと、彼女が行った道を追い掛けようと石畳の道を走るが、既にリーミアの影は見当たらず、仕方なく彼等夫婦は、受け取った金貨を頂くことに決めた。

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