表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔族少女の人生譚  作者: 幻鏡月破
第一章 四天王となるまで
15/48

第十四話 ウィディナ対カルラ 中編

 開始の合図と共に、先に動いたのはカルラだ。


「はぁぁぁっ!!」


 その巨大な剣を、ウィディナに向けて一直線に振り下ろす。

 その剣撃は柄に合わず速く、避けるには時間が足りないため受け止めるしかない。


 皆がカルラに負けるのはこれが理由だ。並の反応速度だと見切れず、大抵この一発で皆やられる。

 来ると分かっていても避けられない。

 大剣のためリーチが長く、試合開始の距離だとまず避けられない。たとえ受け止めたとしても剣の重さと速さで叩き折られる。


 ウィディナは構えから素早く剣を振り、交差させ剣撃を受け止めの体制をとる。

 ウィディナは最初にこれが来るのを分かっていたため、受け止めの体制が取りやすい構えをとっていた。


 ガキンッと激しい音を上げ、一閃を止めた。


「……よく受け止められたわね」


 ウィディナがニヤリと笑う。


「剣が良いからね。来るって分かってたし」


 カルラが剣を持ち直す瞬間を、ウィディナは見逃さなかった。

 加わる力が一瞬小さくなったタイミングで剣を押し払う。


「くっ――!」


 崩れた体勢を直すためカルラは後ろへ跳ぶ。

 だがやはりウィディナは見逃さない。


「〈天への綟摺(スピランセス)〉!」


 捻りながらカルラへと突っ込む。

 ウィディナは一瞬で距離を詰めた。



  ◇


 

 ……いつもよりも速い……!

 

 カルラは内心焦っていた。

 だが焦ってはできることもできなくなる。

 頭を一瞬冷やし、アルカナファーレンの腹でウィディナを受け止める。


 剣を上へと振り払う。

 ウィディナは弾かれた様に後ろへ跳んだ。


 だがすぐに体制を整え、また突っ込んできた。

 左右へランダムに動きながらくるため、攻撃がしづらい。


 どこから来てもいいように構えていると、フッとウィディナが目の前から消えた。

 どこだと見回すと、気配を感じた。

 上だ。


 彼女をチッと一つ舌打ちをしたが、構わず私へ落ちてくる。


「――〈胡蝶花の舞踊(アイリス)〉!」


 左右同時に斜め上から剣が振り下ろされ、まずはそれを避ける。手首を返して下からの掬い上げが来たからアルカナファーレンの腹で受け流す。

 そして最後に斜め下から左右の剣がきた。

 挟み込む様な剣撃が来たため私は間に剣を入れてやる。

 するとガチンと音がし、剣が止まった。


「しまっ――」


「もらった――っと!」


 剣を思い切り振り下ろした。

 ズササササッと吹き飛ぶが、ウィディナは倒れない。

 さっきはウィディナが攻撃した。だから今度は私の番。


「いくよっ」


 私は言うと同時にアルカナファーレンを腰横に構え、ウィディナに向かって走っていった。


【筆者からのお願い】


本作品を読み進めていく上で気に入ってくれたら、


・ブックマーク追加


・下の【☆☆☆☆☆】からポイント評価


・感想、レビューの書き込み


この3つを行ってくれると、筆者の励みになります!


何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ