表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔ちゃん  作者: 神保 知己夫
本編
8/182

1997年5月

〝身体の調子どう?〟


 ああ悪くないよ。お腹はまだときどき痛いけどな。


〝腸は慢性よ。食生活を改善しないと治らないわ。〟


 医者じゃねえんだからよ。とにかくなんとかしてくれよ。それから、今度情報処理一種の試験を受けなきゃならんのだが、合格さしてくれ。


〝契約の範囲外ね。〟


 いいじゃねえかよ。大学院だって合格さしてくれたじゃねえかよ。頭痛だって治してくれたじゃねえか? なあ、そんなこと言ってまた今度も助けてくれんだろ?


〝甘えないで。そういう男は、一番大っ嫌い。〟


 だって、悪魔は現世利益実現のために呼ぶもんだろ?


〝ちょっとアンタどうしたの? まるで負け犬じゃないの?〟


 ウツなんだ。つっても病気の域まではイってないぜ。ときどき来るんだ。


〝ちょっと、そういうとき呼び出さないでくれる? テンション低い人嫌いなの。〟


 死のうかな。いやウソだけど。えーと、なんでもいいや。何かオレ何がしたいのかわかんなくなってきた。しかしエアロスミスがMTVのトップ1なんて最悪だな。90年代も終わろうってのによ。


〝アンタもう寝なさい。たぶん疲労が原因よ。〟


 やだね。


〝なんで!?〟


 わからん。これを続けたくもないが、やめたくもない。


〝ひどいわね。〟


 俺は最悪だ。いや、そこまで言うと何か嘘っぽいな。なんだよ、誰でもあるだろー?こんな時。おい。おーい。おい!! ちくしょー帰りやがったぜ、あのスベタ。こういうとき役に立つのが悪魔ってもんだろが、このクソ野郎!!  ケケ、なんか楽しいぜ。ああやっぱダメだ俺。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ