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迷走中

「成長中の階層?」

「そう、成長しているダンジョンの、今まさに生成中の領域にいると一時的にマッピングが出来ないんだ」


 驚きのあまり、皆は呆然としてリュシアンに注目していた。


「え…、え…じゃ、なに?ここ、今成長してるの」

「そうなるね」


 下り階段の前に陣取ったリュシアン達は、とりあえずの安全を確保しつつ車座になって状況確認をしていた。見張りにはジェリーにも対応できるようにダリルと、カミラチームの近接二人が付いている。


「ということは、ここは3階層ではないってことなのね」

「ワープ陣もないし、間違いないと思う」


 カミラは困惑したように黙り込んだ。リュシアンは、少し申し訳なさそうに続けて口を開く。


「こんなことになってすみません。お約束通りワープ陣までお送りします」

「いいえ、そんな。謝られるようなことではありません。こちらも了承したことですし、協力していきましょう」


 何階層分成長したのか、このダンジョンのどの部分が成長しているのか、今確認するのは難しい。おそらくリュシアンの最上位のマッピングを使えば、もしかしたら既存の階層までサーチが届いて、運が良ければここがどの辺りかという事だけでもわかるかもしれない。けれど、消費する巻物や魔力の事を考えるといちいち気軽に使える代物でもない。

 いざというときに巻物が足りなくなったりしたら洒落にもならない。

 ダンジョンの成長は、ボスのランクにより成長スピードやダンジョンフロアのレベルも変わってくるが、今のところ急に強力なモンスターが沸いているとかいうことはなさそうだ。

 こうなってみると、例の小鼠やキックラビの群の大移動や、ジェリーの大量発生も、新たなボスの影響で種族間の勢力図が変わったということが考えられる。

 とはいえ、多少の混乱こそあるが決して攻略できないレベルではないだろう。


「どのくらい成長しているかわからないけれど、皆さえよければ予定通り旧3階層を目指そうと思うんだ」


 要はこのまま下るということだ。

 運が良ければ、すぐ下の階がそうだという可能性もある。

 ニーナやアリス、エドガーに異存はなかった。従魔も手に入れて、ノリノリのダリルも引き返すという考えはないだろう。そしてカミラも、リュシアンの提案に否はなかった。

 そうしてリュシアンたちはほんの数分で結論を出し、下り階段を降りていくことになったのである。

お読みくださりありがとうございました。

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