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縫製職人

 ミスリルの鉱石、白金鉱石、金鉱石、モンスターの角、革、肉など。数量に余裕のあるものから、いくつかを換金してもらった。


「助かりました。これで、武具を整えるメドが立ちました」

「いやいや、私も思わぬ収穫だったよ」


 パトリックにしても、これは悪い話ではない。ダンジョン産の品物はどれも高価な物ばかりで、しかもいつも品不足なのだ。やむを得ず待ちが発生していたものが、今回の事でかなり捌くことができたのである。

 もっとも、ヒヒイロカネなど一部は、今の段階では扱えないのでお蔵入だ。かなり買い取ってくれたので、リュシアン達は十分すぎるほどの軍資金を手に入れた。

 明らかにダンジョン産の物は、まだリュシアン達が市場に回すわけにはいかないので、買取はこれからも直接パトリックが担当してくれるという。不在の時も、代理を立ててくれるらしい。そのうち、ダンジョンの攻略を始めれば、普通に商業ギルドや冒険者ギルドで換金できるようにもなるし、今は甘えるしかない。


 リュシアンたちは屋敷を後にして、再び街に出てきた。

 パトリックが紹介してくれた職人に会いに行くためだ。エキューデ商会が展開している、防具、武器、アクセサリー、薬、魔法道具などが揃う総合施設があるという。イメージとしてはデパートみたいな印象だ。

 ちなみに前にキャンプの準備に来た、いわゆる学生ご用達のリーズナブルなお店とは違って、たぶん丸が一個二個多い感じのお店である。

 エキューデ商会が抱える職人たちも数多く店を出していた。


「まずは、フリーバッグの縫製を頼めるところへ行ったら?」


 ニーナがそう言ってくれたので、リュシアンは大通り沿いの大きな建物へと入った。総合施設とは言っても、本当のデパートのように一つの建物内にすべてが揃っているわけではない。いくつかの建物が寄り添うように立ち並び、中央の一番大きな建物に、そこから集められた商品がいくつも並んでいるのだ。そこで商品を見て、気に入ったらそれを買うもよし、その作者にオーダーメイドを頼むのも自由である。

 バッグが所狭しと並んでいる区画へと進んでゆく。


「カバンをお探しですか?」


 すぐに、職人風の少女が声をかけてきた。十七、八くらいだろうか。男の子のような短い髪に、革の油が染みついたエプロンをしている。どうやら販売は、弟子などが担うようである。


「あ、いえ。パトリックさんの紹介で参りました」


 カバンを扱う職人は数人いるが、パトリックが紹介したのはジョゼットという、女職人だった。リュシアンたちが持ち込む素材のことを事前に了解し、それらを安心して任せられる人物とのことだった。確か、弟子の名は…


「ジゼルさん、ですよね。ジョゼットさんに取り次ぎをお願いします」

お読みくださりありがとうございました。

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