親愛なるあなたへ
親愛なる君へ の続編です。そちらから読んでいただけたら嬉しいです。
あなたの手紙はいつも驚かされます。今回だっていきなり「僕にとって、君は光でした」と言う言葉で手紙が始まりましたし。でも、よく考えたらあなたが私を驚かすのは手紙だけではなかったですよね。そろそろ桜が満開だから見たいと言ったら私のために袋いっぱいに桜の花びらを拾ってきて壁に枝を描きそこに花びらを貼って満開の桜の樹をみせてくれました。ちがうときは、夜、私を連れ出して海に行ったりもしましたね。あ、夜景も花火も見に行きましたね。でも、最後は毎回私の父に怒られていました。怒られるあなたに申し訳ない気持ちと、次はどこに連れ出してくれるのか楽しみにしてました。
あなたと出会った時は、こんなにも多くの時間を一緒に過ごすようになるとは思っていませんでした。だって、前のあなたってタイプじゃなかったんですもの。いつも遠くを見ていて体はここにあっても心ここに在らずだったですし、私と同じようにクラスから浮いた人でした。クラスが一緒で席が隣で教科書をみせてもらったときに、話かけても相手を映さないあなたの目は何をみているのか不思議で声をかけたのがすべてのスタートでしたね。
私はあなたが当然だと思って興味を示さないことが当然ではないことを知って欲しかった。
朝、目が覚めるか不安になりながら眠る人がいること。
食事にありつけない人がいるとこと。
学校に行きたくても行けず、勉強したくても出来ない人がいること。
周りの人間は敵だと教えてられる人がいること。
あなたがとても恵まれていること。
最初はいじわるのつもりでした。恵まれているのに不幸ですって顔をして感情を出さないんだから。だから、誰よりも感情豊かにしたかった。そうして、今まですごくもったいないことをしたって後悔すればいいと。でも、途中からは私が見れない世界をたくさん見て教えて欲しいからでした。あなたは私のそばに居てくれた。こんな理不尽でいじわるな私のそばにいてくれた。それがどれだけ私にとって幸せだったか。
実は、私もあなたと出会いたくさんの感情に出会いました。
一緒に笑うことの幸せ。
泣いてもいいということ。
人を愛するということ。
生きたいと願う気持ち。
あなたが私にとって光であり、希望でした。あなたが居ない夜がこんなにも不安で怖いと知りました。でも、時が流れて眠る間も朝目が覚めたら目の前にあなたが居るようになりました。周りからみたらあなたと私が過ごした時間は少しだったというかもしれません。でも、私には幸せでとても長い時間を過ごせたと思っています。
本当にありがとう。
またお手紙待っています。
追伸
あなたはまだこちらに来ないでください。もっとたくさんのものをみて心に触れてから来てください。それに、あなたまでこっちに来たら周りが寂しがるでしょうから。今まであなたを独り占めしてたのは私です。これからはもっと周りと仲良くしてください。
こちらに来たら好きなだけあなたを独り占めにしますからね。
前回の 親愛なる君へ の続編が書きたくて勢いで作ったのでつっこみどころ満載です(笑)