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麗子様は好き勝手に生きてやる!  作者: 古芭白あきら
第4章 中等部のみぎり

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第111話 麗子様はライバル宣言される。


 そーかそーか、桔梗ちゃんはツンデレさんでしたか。


 うんもう、よっぽど我と友達になりたかったんやな。そんな恥ずかしがらんといても、桔梗ちゃんみたいな美少女なら我はいつでも大歓迎やでぇ。


 ふっふっふ、それに桔梗ちゃんは楓ちゃんや椿ちゃんよりもお嬢様の風格があるから我と対等な関係を築けそうやしのぉ。なんなら我よりもずっと格上オーラさえあるし。これは生涯の親友になっちゃうパターンじゃね?


「私の又従姉妹(はとこ)でも志乃様でもないとなりますと……」


 だけど、ここは首を傾げて、おとぼけポーズよ。


 がっつくのはカッコ悪いもんね。ここは分かんないフリをしときましょ。だけど、ちゃーんと桔梗ちゃんの想いはビシバシ伝わっとるでぇ。


「神宮寺様はどのようなご用件で声をかけられましたの?」


 ホントは『桔梗()()()』って呼びたいけど、まだ知り合ったばかりじゃ馴れ馴れしいわよね。特に桔梗ちゃんはツンデレさんだもん。ここは少しずつ距離を縮めていきましょう。


「清涼院さん……」


 もう、桔梗ちゃんったらぁ。『麗子ちゃん』って呼んでもええんやで。まあ、いきなりは恥ずかしくって無理なのかな?


 この、テ・レ・ヤさん♡


「あなたに言っておきたいことがあるの」


 分かっとる分かっとる。お友達宣言よね。ワクワク。我はいつでも桔梗ちゃんの愛を受け取る準備はできとるでぇ。


 さあ、桔梗ちゃん、カモーン!


「ずいぶん滝川様や早見様と仲がよろしいみたいね」


 ん? なして滝川と早見の名前が出てくんねん。


 まさか嫉妬?

 嫉妬なのね。


 あんな魔王堕天使に私が盗られるって思ったのね。もう、桔梗ちゃんったら、か〜わ〜い〜い〜♡


 でもでも安心して。私と桔梗ちゃんの友情はそんなことじゃ壊れたりしないから。


「あなた、ちょっと綺麗だからって調子に乗ってるんじゃないの?」


 あらやだぁ、綺麗だなんてそんな……ことありありですけどぉ。でもぉ、桔梗ちゃんもとっても綺麗ですわよ。


「あまりに節操がないんじゃないの?」

「いったい何の話ですの?」


 はて?

 節操?


 いったい桔梗ちゃんは何を言いたいのかしら?


「滝川様や早見様に色仕掛けで迫っているそうじゃない」

「ちょっとお待ちくださいませ」


 えっ、なになに、まさか大鳳学園の外でも滝川や早見と噂になってんの!?


「そのような事実はございませんわ」

「しらばっくれないで!」


 あ~ん、そんなにむっとしないで。ホントに我はあんな魔王や堕天使に興味はないんや。


「滝川様と婚約の話があったのは知っているのよ」

「それは小さい時に親同士が勝手に盛り上がっていただけで、お断りいたしましたわ」


 そんな何年も前の話を蒸し返さんといてーな。


「それだけじゃないわ」


 桔梗ちゃんは段々ヒートアップ。


 七夕での織姫の件やバレンタインのチョコ騒動まであげつらってきた。果てはサロンでの滝川の迂闊な発言まで言及してきたけど……なして菊花会(クリザンテーム)内部のことまで知ってんの!?


 えっ、まさか桔梗ちゃんってば滝川のストーカー?


「この間、パーティーで滝川様から『今夜はお前を離さない』って言われてたそうじゃない」

「それは神宮寺様がお考えになられているような意味ではありませんわ」


 ありゃ滝川が私を肉食獣(おんな)どもの盾にしてただけや。だけど桔梗ちゃんってば、聞く耳持ってくれないよぉ。


 これは間違いないわ。桔梗ちゃん、滝川狙いなんだ。うわぁ、桔梗ちゃん趣味が悪いよぉ。


「早見様のご自宅へもお邪魔しているって聞いたわよ」

「それは水面ちゃんの誕生日にお呼ばれしただけですわ」


 水面ちゃんがいなければ、あんな伏魔殿へ行くもんか。勘違いしないでよね。あんな腹黒眼鏡に会いたくなんてないんだからね。これはツンデレなんかじゃないんだからね!


「水面ちゃん?」

「早見瑞樹様の妹様ですわ」


 用があるのは天使だけ。堕天使はノーサンキューやねん。


「水面()()()だなんて随分と親しげなのね」

「まあ、慕われてはおりますわね」


 なんせ水面ちゃんとは義姉妹の契り(とうえんのちかい)を結んだ仲やからのぉ。あと一人はマコちゃんや。我ら生まれた日は違えども、同じ日に死すことを願わんって誓い合った仲なんやで。


 しかし、そうなると誰が劉備で誰が関羽になるのか……まさか私が張飛ってことはないわよね?


「そういうこと」


 あっ、分かってくれた?


「家族ぐるみの関係だってアピールしているのね」

「そのような意図はございません」


 なんでそーなんねん!


「なんて姑息なの。外堀を埋めて早見様を籠絡したなんて」

「そのような事実はございません」

「滝川様もご家族を懐柔して誘惑しているに違いないわ」


 もしかして桔梗ちゃんって妄想癖が強いのかしら?


「清涼院さん、あなた大した手練手管(てれんてくだ)ね」

「いえ、それらは全て事実無根ですわ」


 えーん、いくら弁明しても桔梗ちゃんが信じてくれないよー。


「だけど私は負けない!」


 そんなズバビシッと指差さないで。


「あなたみたいな狡猾でふしだらな人に、滝川様は絶対渡さないんだから!」

「ですから、私は別に滝川様のことなど何とも思っておりませんわ」

「滝川様に不満があるって言うの!」


 どないせぇっちゅうねん。


「そう、だから早見様にまで魔の手を伸ばしたのね」


 桔梗ちゃんの中で私はどんだけ悪女なんですか。


「私が必ずあなたの悪行を暴いてみせるんだから」


 その宣言どおり桔梗ちゃんは塾でずっと私を監視してきた。講義中ずっと敵意の視線をビシバシ飛ばしてくんの。こんなんじゃ気が散って勉強に集中できないわよ。


 ひーん、お願いだから許してぇ。

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親友(敵)
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