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第6話 別れ
元の国に戻った彼らは、召喚用の魔法を使って、十話子達を帰した方法と同じ用に人質となったものを帰そうとした。
しかし、子供と一緒に異世界に残るという人たちもいたため、住民票や住む場所の手続きなどで予想よりも時間がかかったのだった。
そんな中、リカコがノミトにとあるものを渡してきた。
それはノミトが生まれたときのへその緒が入ったものだった。
「私にはもう必要ないから」とそう言った母親は、ノミトが施設で見たときとは違う服装をしていた。
黒い、葬儀の時のための服装ではなく。
「お父さんは亡くなったの?」
ノミトがそう尋ねると、「あの飲んだくれならまだ生きてるわよ。残念ながら」と言った。
ノミトの祖母や祖父はすでになくなっていたり、連絡がとれない。
だから、リカコが誰の葬儀をしていたのか、ノミトは理解していた。
だからノミトはたった一度だけ人生の中で、母親に感謝する事にした。
「ありがとう」
ノミトが去った後、ノミトの母親は一人で泣き崩れていた。




