第3話 王女の説得
ルードに、ぺルカの様子を知りたいと言ったホムラは、願いを聞き届けられ牢獄へ案内された。
そこで、監視の目を遠ざけてホムラはぺルカと話をする。
ペルカは最後に見たときよりも痩せて、表情も乏しくなっていた。
目的にむかってランランと輝いていた瞳に光はない。
「私が間違っていたというの? 全部を掴みとることなどできない。理想ばかりじゃ、誰も守れないから私は現実を見てやってきたというのに」
弱弱しくつぶやくぺルカの考えをホムラは否定しない。
「間違ってはいいませんけど、半分間違いだと思います。価値観や考え方は無理やり押し付けるものではありませんから」
ホムラの姿に気づいたペルカは「私を嘲笑いにきたのね」とつぶやく。
「一人一人の意思を尊重していたら、世界が滅んでしまうわ。国の王なんてやっていけないじゃない」
「そうですね」
噛みつくような勢いで叫ぶぺルカ。
カガリはそんなぺルカを真正面から見つめる。
「でも、現実だけを見て自分の考え方や価値観を押し付けるばかりでは、きっと歪みが出てきてしまう。今がそうでしょう?」
国民たちに拒絶されたペルカは、ホムラに言われなくても自分の状況がよくわかっていた。
しかし、心が認められなかったのだ。
「なら、どうすれば良かったのよ」
「理想も見て、人の考え方や価値観も大事にしてください」
ホムラは指導者として、人の上に立つものとしての勉強をしていたカガリを見ている。
緊急時に立つカガリは、その両方をやっていたため、人の上に立つ王とはそういうものであるべきだと考えていた。
「何も知らない小娘が。それじゃやっていけないわ」
「だから、他の人がいるんじゃないんですか。あなたは一番最初に私達勇者を駒にするのではなく、一緒に戦おうと手を差し出せばよかったのです」
ホムラに難しいことは分からないが、考え方が偏るのはよくないという事ぐらいはわかっていた。
そして、一人で考え込む事の危険性も。
「何であっても、一人で出来る事に限りがあるんですから」
ホムラの言葉にペルカはうなだれる。




