第1話 ぺルカの現状
ホムラ達が邪神を倒した後、モンスターの活動はなりをひそめていった。
国と国の行きかいは活発になり、物の流通も増えていった。
グランドネイトに生きる多くの国の人たちは安心して、生活できるようになったが、ぺルカのいる国はそうはならなかった。
ぺルカは勇者たちを虐げたものとして知られ、国民たちに反旗を翻されたからだ。
その結果、彼女は牢屋に入れられていた。
ペルカは国民たちに「自分がやったことは必要な悪だった」と告げたが、国民たちは耳を貸さなかった。
ペルカの代わりに、国民たちをたきつけた男が王になり王座に座った。
しかし王が変わったその国は、持ち直す事なく傾く一方で、彼の欲望のままに国や国民は振り回されるばかりだった。
その男の名前はルード。
ペルカに兵士だった両親を殺された過去を持つ男だ。
国がこれ以上傾いてはまずい。
そう危惧した者達が、ぺルカが再び立ち上がる事を望んでいたのだった。
ペルカのやり方は好きではないが、傾いた国を立て直すには彼女の手腕が必要だった。
彼女の王として町の様々な事をとりしきる能力は確かだったからだ。
ユウトからそんな話を知らされたホムラは、ぺルカの事を心配していた。
ユウトはホムラに、「どうしてだ?」と尋ねる。
「ぺルカ王女は以前のお兄様と似ている所がありますから、今どんな状態なのか心配です」
「洗脳されかけたってのに?」
ホムラは自分たちの意思を奪おうとしたぺルカの行動を許してはいない。
しかし、ぺルカの境遇や立場には同情してもいた。
「私達とそう変わらない年で、国や世界の事を考えていかなければならなかったんですから。その苦労は想像以上でしょうし。それに彼女には導いてくれるような両親はおりませんから」
ぺルカの両親は邪神のせいですでに亡くなっていた。
公務で出向いた他国で、邪神の放った魔法で焼かれて死亡したのだった。
だから、ホムラは、ユウトが提案した国交のための使者に立候補したのだ。
「滅茶苦茶な国になっちまったが、交流しないわけにもいかないからな」
「でしたら私も行きますわ」
「いいのか?」
「せっかく勇者という知名度があるのですから。中身が伴わなくとも利用するまでですわ」
「中身が伴わないなんてそんな事はないと思うけどな」




