同窓会の陰キャ三人組
迷走しました(^q^)
みんなは、同窓会が嫌だって思ったことはないか?
だって、話題に入れなければボッチだし、暇つぶしをしようにも騒がしいからどうにもならない。
話すやつがいない奴は隅っこでぼーっとしているのがオチだ。
行かなかったら行かなかったで付き合いが悪いと後ろ指をさされる。
な? 最悪だろ?
え、そうなってるのは陰キャだけだって? うるさいわい。そういうやつも一定数いるんだからな!
そんなやつがいるからなのか、俺の高校の同窓会はなぜか昼からやってるんだよ。開いてるやつが金持ちだからとかなんとか。
つまり、俺のように話題に入れず、ただ隅でぼーっと時間を過ごすようなやつはだいたい昼間に来てる。
いや、つまり。
なんでこの時間にクラスのマドンナ的存在だった綾瀬 水樹がいるんだよぉぉぉおお!!!! しかも、俺の隣に!!!!!!!
正直に言おう。
めんどくせぇええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!
そして、写真を取るんじゃねぇええええ!!!!
あ、俺別にボッチじゃないんで。俺がボッチだー、とか陰キャだー、とか言ってないんで。
普通に友達がいますけど、なにか?
二人だけど。
そいつらに写真をめっちゃ取られて、ついでにラ●ンのグループでいじられてますけど、なにか???????
と、少し喧嘩を売るようなことを考える。
現実逃避だ。
「あ、ねぇねぇ。」
「ぇ……ぁ。はい?」
おいお前ら。笑ってるのが見えてんぞ。
『声がちっちゃいでござるよ、楼我どのwwwwwww』だって???????
うるせーよ、モブ芳(本名:池田 信芳。主人公(本名:狭霧 楼我)の一人目の友人。コスプレイヤー。メガネ。)!!!!!
ラ●ンで煽ってくんじゃねーよ!!!! お前だって女子に話しかけられたらこうなるくせに!!!
アホ間田(本名:草間田 壱史。主人公の二人目の友人。同人作家。所謂腐男子。が、三次元はムリ。)も、『お前タジタジじゃんかwwwwwww』じゃねーよ!!!
お前も普段声ちっちゃいくせに!!!! いっつもお前の代わりに(コミケの)客の相手してやってるの誰だと思ってやがる!!!!!!!
はっ倒すぞ!!!!!!!
「えっと〜。狭霧くん、だっけ?」
「あ、はいそうです……。」
そうだ。モブ芳とアホ間田の相手をしている場合じゃなかった。この子をどうにかしないと…。
「ここにはよく来るの?」
「え、えっと、いえ、別に…。じゃあ……。」
よし! ここでアイツらの方に行けば―――
「あっ、ちょっとまって?」
あっっ………。無理だった……。ガッチリ腕を掴まれました………はい…。
『wwwwガンバwwwwwww』『乙でござる〜(笑)』
ムカついたのでブチッと携帯の電源を切る。
よくこんなに人を苛立たせるようなこと書けますねェ、キミたちぃ????
「ね、私こんなに早い時間から来るの初めてだからさ、狭霧くんが―――」
―――ガラガラガラッ
「う〜い! 早いけど、来ちゃったぜー!」
あ、あれはクラス一のイケメン(だった御曹司。今は普通のサラリーマン……?定かではない。)!!
ナイスタイミング! ほんっとにありがとうございます!!!!
「じゃあ、俺はこれで………。」
「あっ…。」
俺は掴まれた腕を自然にするりとほどき、モブ芳とアホ間田のところへと素早く退散。
ナイスタイミングで墨田(クラス一のイケメンだった御曹司のこと。本名:墨田 光。)が入ってきてくれて、助かったわ。まだ核心に至るところまでは話してなかったし…。
保険でコイツらとでも話しておくか。さすがの綾瀬でも、話していれば割り込んでくることはないだろう。
「お前ら?? わかってるよなぁ?」
内容は誰にも聞こえないように、かつ、話していることがわかるように小声で、大きく口を動かして喋る。
「…っふ、っくっくく……。まことに面白かったでござるよ…っくく…。」
「ははっ……っくっく…それな…っくく…。」
人の気も識らずに笑いやがって……。
「よし。戦争だ。」
そう真顔で言い放つと、
「ちょちょちょ、ちょっと待つでござる!」
「やめろよ! 言うこと聞くから!!」
焦ったように言い募るふたりとも。
罰はなににしようかね〜〜(笑)
「う〜ん。……あ、じゃあ、今度お前らホラゲ配信でもしたら??」
「「それは何卒ご勘弁を」」
コイツら謎に配信チャンネル持ってるんだよな〜。
丁度新しいホラゲ出てたし、コイツらホラゲ苦手だから良い罰になるだろ。
「よし。今買うからちょっとまってろよ。」
「おおおい!!」
「やめるでござる〜。」
この後、ちゃんとホラゲ配信をやらせた。なぜか俺も成り行きでやることになったが、ホラゲは好きなので大丈夫だった。
なぜかしらんけど、バズった。
コラボが良いとか、現実味のある声〜、とか。
もとからまぁまぁ登録者いたしな〜。
ネタってこういうところからも出てくんのな〜。
参加しといてよかったわ。同窓会。
――
―――
そして、楼我は知らない。
「……狭霧、くん……?」
綾瀬水樹がこの配信を見ていて、ポツリ、と自身の部屋でそう呟いたことは。
そして、覚えていない。
水樹に昔、卒業する時に連絡先と住所を教えていたことを。
これからどうなるのか。
それは、神のみぞ知る、というやつである。
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