【プロローグ】白と黒のキャンバス
初の恋愛モノで初の連載モノです。
初めてづくしの拙い作品かと思いますが、よかったら一読してくださると幸いです!
―――――ポタッ
「私!こうの……が都知事に………暁には!ここ東京から………を取り除き、ジェンダーレスな……を作りたいと思います!LGBTQの垣根を…………皆さま……………」
―――――ポタッ
「はぁ…………くだんな。」
ボソッとそう言い放つ。
帰宅する人々が行き交う駅前で確か今週末にある都知事選の街頭演説をしていた。
傘に当たる雨音と雑踏の音で途切れ途切れにしか聞こえてこないが、こんな雨の中ご苦労なことだ。
【ジェンダーレスな社会】、演説をしている政治家を含め、大人達は口を揃えてすぐにこの言葉を発する。最早ありきたりで思わず呆れてため息が出てしまう。
大人がその言葉を掲げて果たして何年経つのだろうか。表面上ではそういった人間に対する風当たりは穏やかになってきた。だが実際のところ、未だ同性婚は認められてないし、なんなら影で後ろ指さされる始末だ。根本的には何も変わってないのとほぼ同義だ。
―――――ポタッ
まぁ、こんなこと訴える奴らの大半は元から変えるつもりなんて微塵も無いのだろう。この言葉はただの周囲からの人気集めの材料に過ぎないのだから。今のご時世、そう言うだけで周りからの評価なんてクソみたいに上がる。別に改善出来なくたって「これは人々の意識的な問題だからすぐに上手くいくはずがない。これは当然の結果である。」とかなんとか言っておけば周りから何か咎められる心配もない。言うだけで簡単に自身の評判が良くなる。言わせてみれば、誰もが知る《食べたら大きくなるキノコ》や《簡単にレベルが上がる不思議なアメ》みたいなお手軽なアイテム程度のモノに過ぎないんだろう。その証拠に、大半の人はジェンダーレスとか言いつつ【LGBTQ】だとか言って、【普通】と区別する、せざるを得ない環境を作ってる。本末転倒だ。今必死で雨の中で演説しているあの政治家も所詮そのうちの1人に過ぎない。
十数年生きてきて分かったことだが、この世界はどうやら物事をはっきり区別するのが好きなのだ。
―――――ポタッ
「はぁ……生きづらい…。」
雨には降られるし、頼んでも無いのに現実を再確認させられるし、どうやら今日はツイてないらしい。
「ねぇねぇ、そこのお姉さん!よかったら俺たちと遊んでかなーい?」
「はぁ…」
あぁ、ほんっとにツイてない。
今日はスーパーの特売日の買い物を諦めて、ナンパをテキトーに追い払ってさっさと帰ることにしよう。
―――――ポタッ
残酷な白と黒の世界に点々と灰が降っていく。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
どうだったでしょうか?
なんせ初めての小説なので文章の構成や言葉選び等々、拙い部分もあったかと思いますが僕の想像している世界観が少しでも読者様に伝わっていれば幸いです。
少し暗めの題材での連載となっていますが、今のところハッピーエンドに収めたいなと思ってます(「今のところ」ですからね!!)。
これから出てくるメインの2人含め、登場する彼ら彼女らが皆様に少しでも愛される存在になって欲しいなと思います。
筆遅なので投稿ペースは遅いと思いますが、その期間中にこれからどう物語が展開していくか想像してワクワクする……なんて楽しみ方ができる小説を書きたいなと思っています。
まだまだ新米ですが、少しずつ成長していきたいと思います。よかったらTwitter等々も気軽に繋がってくれると嬉しいです。
長くなりましたが、初回ということで大目に見てください。
それでは皆様、また次回お会いしましょう。