8/33
第8話 疑惑1
(アイオン視点)
最近ティアラが僕を振りきって、オスカーのところに行こうとするのだ。
僕が戻ってからしばらくは、ティアラは僕とずっと一緒に居てくれた。
……なぜ、ティアラは嫌いなはずのオスカーが気になるのか。
つまりオスカーじゃないと『王妃』にはなれないからだ。
僕は必死でオスカーの方に行こうとするティアラを阻止し続けた。
なのにその日は僕の授業がティアラが履修したものだったのだ。
つまり、ティアラと講座が違う。
授業が終わってあわてて僕はティアラの教室に向かった。
そこにはすでにオスカーとティアラが一緒にいたのだ。
僕は、人が居ないところを探して、左ポケットに仕込んだ『存在を消す魔方陣』を発動した。