第7話 学校生活
結局どんなに言っても、アイオンは王になれないし、私の婚約は覆らなかった。
だが、とりあえずオスカーが成人する2年後まで最終的な決定は先送りされたのだ。
ゲームでもオスカーの成人寸前までは話が終わらなかった。
悪役令嬢の断罪イベントのあとも普通に話が続くので、プレイヤーが「あれ? これハッピーエンドにいけるんじゃないかな~?」っと、思い始めた頃に『処刑エンド』なのだ。
あの時は愕然としてシナリオを書いた人を恨んだ・・・。
けどっ! 今は感謝します!
つまりあと1年は最悪の事態を回避するべく動けるということだ。
簡単にいうと、オスカーとマリアの恋愛を私が応援してくっつけてしまえばいいのだ!
邪魔してたのは主に私だからね!
翌朝、学校に行って私はアイオンを見つけて舞い上がった。
「アイオン、今日から学校に通うの?」
「オスカーに8年分差をつけられているから……頑張って追いつかないといけないよね。ティアラ教えてくれる?」
そうだ、アイオンは昔から努力家だった。
私はそんなアイオンが大好きだったのだ。
私はうなずいた。
「お昼休みでも、放課後でも、お休みの日でも、何時でも言って」
アイオンの為ならいくらでも時間を空けるわ。
アイオンは嬉しそうに微笑んで言った。
「ありがとう。僕がティアラの空き時間を全部独り占めだね」
ずきゅーん!
その笑顔に私は赤くなりくらくらした。
アイオンに独り占めされたい!
そして、私は家に帰ってから気がついた。
ずっとアイオンと勉強してて、オスカーとマリアの応援忘れてた!
あまりにもアイオンとの時間が幸せで、まったくオスカーの事を思い出さなかったのだ!
……明日から頑張ろう。