第21話 転校生
ちなみに、琴梨さんも僕の母の事を知っていた。
「アイオン王子はあのアメリア姫の息子なのね~!」
城からの帰り道で感心されてしまった。
あの……。
「うちの母が自由人過ぎて、すみません」
僕は居たたまれなくなって謝ったが、琴梨さんは楽しそうに笑った。
「アメリア姫がライアンとの婚約を断ってくれたから、ライアンは20才まで売れ残ってて、私はライアンと結婚できたんだよ? 私はアメリア姫には感謝しかないよ~!」
いやいやいや。20才まで売れ残ったライアン元王子には本当に申し訳ない。
この国で20才越えても1人も奥さんいない王族とか大惨事でしかないよね?
普通は10才あたりで婚約して、16才で成人したら最初の結婚をするのだ。
僕は、『ライアン元王子』にすごく会ってみたかったが、今日は騎士団の遠征で王都にはいないと琴梨さんは言った。
残念だ……。
だか、翌週に会えてしまった。
なんとエマ姫はスライシアの学校に留学してきたのだ。
そもそもガンダルンには学校がない。
だから普通は王族、貴族は家に家庭教師を抱えている。
そして、戦闘種族であるガンダルンにおける花形職業は騎士団であり、神官を目指すのはほとんどスライシア人だ。
確かに、僕の通っている学校は王族や上級貴族には入学試験がない。
しかし、入学しても単位がとれなければ意味がないのだ。
だからガンダルン民のエマ姫がこの学校に留学してくる意味が全然わからないんだが……。
ちなみに噂の『ライアン元王子』は、エマ姫を護衛してスライシア王城まで来たのだ!
ライアン元王子は僕が見てもかっこ良かった。
きっちりした騎士団の制服を着ていてもわかる、鍛えあげた筋肉。
鋭い眼光。
そして凛々しい表情に男の色気。
低音で落ち着いた声で発せられる的確な指示……。
母さんが僕の事を『ちっちゃいライアン』と言うのがわかる気がする……まさに僕は『ちっちゃい』のだ。
これは全然似てないな。
そして、僕はエマ姫と正式に婚約した。
さらにはエマ姫との婚約で僕が次期国王に確定したことによって、ティアラが僕との婚約に了承したのだ。
結局、ティアラは父と結婚して今すぐ王妃になるとは言わなかったのだ。
あっさり僕との婚約を了承してくれたことに、僕はほっとした。




