第13話 変な一団
(アイオン視点)
マリアと何か楽しそうに話すティアラと、その後からついて歩く僕とオスカー。
なぜこうなったんだ?!
僕は頭の中で自問する。
今の状況は訳がわからない……。
確かにこの4人は『王か王妃になる教育』を選択しているのだから、ほとんどの学科が同じでもおかしくはないのだ。
でも、固まる必要はないのだ……現に、意識しなければ席が近くなる事もほとんどなかったのだから……。
あの日、講義の間の時間に目の前に座っていたオスカーとマリアがパンケーキを食べに行くと話をしていたから……僕はちょうどいいと思った。
オスカーがマリアとデートしているところを見たら、ティアラはオスカーに嫌悪感を抱くに違いない。
今以上にオスカーを嫌いになればいいのだ。
ティアラは結構独占欲が強いのだ。
僕がダンスの練習で他の令嬢の手を取っただけで、真っ青になるのだから。
自分の婚約者が他の令嬢とデートしているところを見たら……。
僕はオスカーの執事からオスカーが予約した店の場所と時間を聞き出し、わざと同じ時間にティアラを連れて店に行った。
「あーっ!! なんでオスカーが居るのよ!」
店に入ってすぐにオスカーを見つけたティアラがそう叫んだ時、僕はうまくいったと思った。
だけど……。
ティアラはオスカーと仲がよさそうに話をした。
しかもティアラはオスカーとの婚約を破棄するといい、マリアが王妃になるのを応援したい。
アリアと友達になりたいと言い出したのだ。
訳がわからない。
僕は頭を抱えた。
ティアラが何を望んでいるのかわからない。
そして、ティアラは本当に学校でマリアと仲良くしはじめたのだ……。
マリアとティアラは普通に仲良くなった。
必然的にオスカーともずっと一緒なのだ。
僕はオスカーを牽制するためにティアラに甘い言葉をはき続ける。
オスカーはそれを嫌そうに見ながらも、ティアラがマリアから離れないのでマリアについて回る。
そんな変な一団ができあがった。
隣を歩いてたオスカーが言った。
「俺、ティアラと婚約解消できるように、今日ロッシーニ公爵と話をするから……。」
オスカーも今の状況を早く打開したいらしい……。
「それは僕も同席する」
オスカーと婚約を解消したら、即座に僕との婚約か結婚をとりつけたかった。
オスカーはわかってるとうなずいた。




