入学前日 ①
女の子教育というものをされ始めて早くも1ヶ月半の月日がすぎた。言葉使いから始まり足を開かない、がに股で歩かないなどと怒られ、心の中でお姉ちゃんとかママじゃなくて夏希とか母さんって呼んでてもなぜかばれて何度も何度しつこいぐらいに怒られながら生活しているとあっというまだった、そのおかげか女の子らしい仕草や言葉使いにも少し慣れてきたと思う。家族的にはまだまだらしいけど。
「優ちゃーん!制服着てみたー?」
夏希が勢いよく部屋に入ってきながら聞いてきた。本当は着てはいないけどこの後の展開が読めたので嘘をついてみた。
『着た。ちょうど良かったよ』
ベッドに寝転んで読んでいる漫画から目を離すことなく答える。
「優ちゃんホントの事言ってみなよ、怒らないからさ着てないんでしょ、まぁ何でもかんでもいやいや言ってる優ちゃんが着てるわけないしね!」
いやいや、言ってる覚えがあるからあんまり否定できないけどさ本人に嘘か本当かわからないうちは言わないよね普通
『今回はほんとに着てみたし!!』
「え、ほんとにサイズ合ってたの?私の制服と間違えてたよ。あと、今までのことは嘘だったの?」
制服が中に入っているダンボールの箱を手渡される嘘かもしれないので名前と中に制服が入っているかを確認すると名前間違いなく僕の名前だった、しかもきちんと制服もあった。
やばいこれは僕が墓穴を掘ったのか?
『いや、今までののことも嘘じゃないよ、あとサイズやっぱり大きかったみたいだよめんどくさくて適当に答えちゃっただけだよ』
見苦しい言い訳をしてしまったが仕方ないこれしか逃げ道がない
「なーんてね!私は、小学校からエスカレーター式の学校に通ってるから学校で手渡しされたよちゃんと、これは優ちゃんが部屋にいない間に取っておいたよ!」
僕は完全に夏希の嘘に乗せられてしまったようだ。何も言わずにただ漫画の続きを読む
「さて、優ちゃんが制服着てないこともわかったしリビング行こっか!」
『無理今いいところだから目が離せない。諦めて』
「はいはーい、ちゃんとすることしてから漫画読もうね」
夏希が近寄ってきたと思ったら漫画を取られた
「ほら行こう」
『断固として拒否する!!』
胸の前に腕をクロスしてバッテンを作って嫌だと反対する
「もう仕方ないなー、よっこいしょっと」
嫌がる優希を無理やり抱っこする
『うわぁ、夏希お姉ちゃん下ろしてよちゃんと行くから』
「ほんとに?」
『ほ、ほんとに!!』
聞き返されたので目を逸らしてしまった
「目を逸らしてるし、嘘つく時のくせしてるから無理だね」
『そんなことしてない!それより嘘つく時の癖って何さそんなの嘘だよ』
「ほんとだよ、治されたら嫌だから言わないけど優ちゃん以外みんな知ってるよ。じゃあ行くよー」
部屋を出て階段を降り始める。
いつも思うが抱っこで運ばれたら階段が怖い視線も高いし足がつかない浮遊感もあるやめろと言うけどみんな聞いてくれないこれはどうすればいいんだ?
そうこうしてるうちにリビングについて扉を開け中に入っていく
「まったく、遅いのよ」
「まぁまぁ、そんな事言わないの優希がどうせグズグズ言ってたんでしょ」
「さすがお母さんそーだよ優ちゃん連れてくるのも一苦労なんだからね」
春希、ママ、夏希の順で会話をしているが言い方が気に食わない
『人を問題児みたいに言うなよ』
「安心しなさい。問題児みたいに言ってないわよあんたのことを子供扱いしてるのよ」
偉そうに言ってくるのが腹立つ
『尚更悪いよ!』




