女の子?!
カーテンの隙間から太陽の光が差し込み眩しさで目を覚ます。
そういや昨日熱出たんだっけか?
だるいけど熱は下がったみたいだなあーよかったよかった。
そろそろ起きるかと思い体を起こすと顔に長めの髪がかかる。
俺こんなに髪長かったっけそろそろ切り時かなー
髪の長さに違和感を感じて鏡を見に行き髪の長さを見て昨日までとは違うことに驚く。
『なんだこれ?髪肩まであるじゃん』
よく見てみるとそれより驚く事実が…
『うぉぉぉ!!いつもより身長が小さい縮んだのか?しかも顔が女?!』
慌てて股間に手を伸ばし確認する。
『な、ない。男の象徴がねぇーーー!!』
「お兄ちゃんうるさい、何騒いで…あなた誰?あれお兄ちゃんはどこ?」
柚希の叫び声を聞き部屋に夏希が入ってきたが知らない女がいた事に動揺していた。
『な、夏希お、落ち着け』
「え、どうゆう事?お、おねーちゃーん」
夏希が姉貴を呼びながら柚希の部屋を走り去っていく。
『ちょっと待て!!』
呼び止めるがもうすでに部屋を出ていた。
やばい隠れるか?だけどこの部屋に隠れる場所ねぇしどうすればいいんだよ、くそーまず部屋を出て洗面所まで行って鍵を閉めて閉じこもってから考えよう。
急いで最低限の荷物を持ち部屋を出ようとするが近場にいたのか姉貴と夏希が入ってくる。
「あんた誰?ここ柚希の部屋なんだけど柚希どこいんの?」
『あ、姉貴俺が柚希なんだよあの、その起きたら女になっててそれでこんなんなったんだよ』
まだ自分も気が動転していて自分でも訳のわからん言い訳を伝えるがやはり信じてもらえるわけが無い。
「は?そんなわけないでしょ早く答えて」
『だから俺だってば!!』
「うそでしょ、ほんとに?」
『ほんとに!!』
「確かにあんたを女装させた時に似ているからあんたが柚希なら答えれる質問するから全部答えれたらあんたが柚希だって認めてあげる。夏希もそれでいい?」
「う、うん…」
面影が少しあるお陰で少し信じようとしてくれていることに柚希は安心するが姉貴に聞かれる質問がなにかわからず怖くなる。
「あんたの生年月日は?」
『3月14日』
「母さんと父さんの職業は?」
『母さんが看護師、父さんが医者』
「お兄ちゃんが私にくれた中学の入学祝いは?」
『クマのぬいぐるみだろ』
「ふーんまぁこのくらい知っててもおかしくないから柚希が最後におねしょしたのは?」
今までの問題は知ってておかしくないからと誰にも言えないようなことを姉貴が聞いてくるが俺と姉貴と母さんしか知らないことを聞いてくる。
『そ、それはあの…だいぶ前だよ!それよか別の質問にしてくれよ』
言いどもる俺を見て姉貴が微笑みを浮かべる。
「何?答えきれないの?それとも覚えてない?」
『お、覚えてねぇ…』
とっさに左耳を触り恥ずかしさを隠すかのように下を向く。
「答えられたら認めようと思ったんだけどなー本人じゃないし仕方ないよねー」
『待ってほ、本当はお、覚えてるから!!…中学2年の…な、なつ』
「え、何聞こえないんだけど」
『だ、だから中学2年の夏休み8月7日だよ』
自分の黒歴史を掘り返されては涙目で答える。
「お兄ちゃん可愛い〜」
いきなり夏希が飛びついて来て驚くと姉貴がいきなり笑い出す。
「あははははあー面白い」
『何がだよ』
「私たちあんたの面影と癖のおかげであんたが柚希だって途中で気づいたからさ少しからかったのよ」
衝撃の事実を聞き何だで視界がゆがみ始めた。
『ふぇ……気づいたなら、ぐす…やめろよな、怖かったんだぞひっく、うわぁぁぁん』
安心と度の過ぎたからかいの恐怖からいつも泣く時は一人で泣く柚希が姉貴と夏希の前で泣き叫んでしまう。
「ちょっとからかいすぎたね、可愛かったからさつい止まらなくなったんだよね」
「お、お兄ちゃんごめんなさいもうしないから泣き止んでよ」
2人は柚希に抱きついてまるで子供を泣き止ませるかのように柚希の頭と背中を優しく撫でる。
『ぐす……もうすんなよ』
「わかったよ」
「できるだけね」
『すんなよ!』
「わかったわかったよしよし泣き止みな」
『子供扱いすんな』
「だって子供みたいに泣くから」
恥ずかしさで赤くなる顔を隠すために抱きついたまま顔をうずめる。