友達が将来の悪役令嬢らしいので、何としても助けます!
フィオレロが生まれた国では、貴族令嬢は7歳まで王都では暮らせないしきたりがあった。少し離れた都で暮らしていたフィオレロは7歳の誕生日に王都へ戻るべく馬車へ乗っていた。当然馬車が傾いたと思ったら、まだ小さいフィオレロの体は大きなマモノの手に掴まれていたが、その瞬間フィオレロは意識を手放した。フィオレロが7歳になる春のことであった。
そんなフィオレロは1年前の、6歳の誕生日から時々不思議国の夢を見るようになっていた。見たこともない服を着たオンナノコたちが楽しそうにしている。普段はお喋りだけで終わるその夢は、今回は鈍い音とともにオンナノコが宙に舞うところで終わった。
目を覚ましたフィオレロは8歳になっており、1年間自分が眠っていたことに気がつく。また、落ち着くにしたがい、自分の夢と今の自分について考えると、西の都市で仲良くしていた友達ご将来的には王子に殺される、という謎な展開が答えとして導き出された。しかしフィオレロは西の都市の友達と会うこともなく育っていく。そして王都学園に通い始めたフィオレロは、いずれ王子に殺されてしまう通称悪役令嬢、ミスティアと出会う。
ミスティアは悪い子じゃないわ!私がミスティアと生き延びてみせる!
序章:7歳の誕生日
2018/10/14 03:35