呪詛06
「違う!!そうじゃなくて」
違うと言って欲しい。
違う。俺じゃないと
「じゃあ、どういう意味!?」
怒りが混ざりあった声にルミネは息を呑む。
「何、捕まえに来たの?俺はあんたらを恨んでいるからね」
「私....を利用していたの?ずっと、お父様を殺すために....私を利用しようとしていたの?」
ルミネはそっと上を向いてクラウスの顔を見るがすぐに目の前を向く。
殺気に満ちた瞳がとても怖かった。
クラウスは質問には答えず、話し出した
「家族が殺されたようなもんだ。生き残りは俺だけだよ」
クラウスはルミネから放れる。
放れた手からはどこか寂しい。
「ルミネ ....」
クラウスはとても切なそうに見下げるとルミネの首を両手で締めあげる。
ルミネの身体は軽々と持ち上げられる。
息苦しさに手を退かそうとするが男の力だ
女であるルミネには退けられるほどの力はどこにもない。
「赤ずきんの狼の最後、知っている?」
どうして童話の話なんか ....?
声に出したくてもルミネからは声が出ない。
「死ぬんだ。狼は死んでハッピーエンド。だから、家族は自殺をしたり、殺された。狼は生きてはいけないんだ」
掴んでいる手にさらに力が込められる。
「いいだろ、死ぬ前に悪あがきぐらい」
クラウスは苦笑する。
とても悲しい瞳で....
ルミネはそれがとても悲しくて、辛くて、涙がこぼれ落ちた。
手に生暖かいものがあたり、ルミネの涙を見たクラウスは驚き、手を放した
空気が気管に一斉に入り、むせる。
「ゲホッ......ゲホッ。クラ.....ウス」
「ル......」
触れようとした手を引っ込め、クラウスはルミネに背を向け、冷めた声で突き放つ。
「わかったなら、もう来るな。俺はお前が思っているほど、優しくなんてない
王が死んだなら、ルミネとは会わない」
クラウスは「それに」と、付け加える。
「俺はお前を‥‥誰よりも恨んで、憎くてずっと‥‥殺したかった。」




