死神11
分厚い本をルミネは閉じる。目の前にあるアンティークバニラ色のテーブルに置く。白い薔薇が溢れる庭はとても落ち着く。
薔薇の香りが鼻腔をくすぐり、小鳥たちの鳴き声も安らぎに聞こえる。
水色のハイヒールで段差を降りた為か、カツーンっと耳に響く音が降りる度に聞こえる。
薔薇の花びらが数枚舞って、ひらひらと地面に降りようとすると漆黒を表す髪とオレンジ色の瞳が怪しく光る。
本に書いてあった内容を思い出してルミネは唇を動かした。
「死神‥‥」
「は?」
「‥‥薔薇が舞ったらそこに死神が現れるって書いてあったの」
ブロンドの髪を縛っていないせいか、風が吹くたび、歩く度にふわりと揺れる。すぐ横を通り過ぎて、くるりとスカートを翻した。白のワンピースだからか、ひらひらと舞うスカートはとても綺麗で天使のように思える。
「なーんて!カイが死神なんて有り得ないよね。小説の読みすぎね」
ニコッと目を細め、笑うルミネにカイトはつられるように笑った。
翻して歩きだそうとしたルミネはなにかを思い出したのか振り返る。
「そういえば‥‥よくここがわかったわね?いつもいて欲しい時にはいないで。私を守るならいつもいるものじゃないの?」
「いつも‥‥ねぇ。見てきたけど‥‥」
「え?」
カイトはルミネに近づき、髪についた花びらをとると花びらを放す。自由になった花びらはひらひらと風に乗せ、舞っていく。
「お前を‥‥見てきた。」
「カイ‥‥?」




