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婚約者21

今日は来る気配はない。


会いたい....


自分の事を優しいと笑ってくれた彼女に......


だけど、彼女に対しての罪悪感からなのか、とても胸が痛む。


「恋....か」


恋しい....、すごくすごく。


好きになんてなりたくなかった。


あの時の騒動の中、彼女を威嚇しようとして婦人を殺した。わざと口元に血をつけて。


だけど、彼女は何の汚れを知らない綺麗な瞳でクラウスを見つめていた。


もしかしたら、あの時からルミネを好きになってしまったのかも知れない。


あの時、殺せなかったのは、利用するのが目的じゃない。


生きて欲しかった。


ずっと、汚れない純粋なままで....例え、この恋が叶わなくても....





王様が昔、アルベール家。


今はない公爵一家に呪いをかけたとルミネが知ればどう思うのだろう


名誉の為、王様が違法を行っていたことを知ってしまったために薬を飲まされ、狼へと変えられてしまったなんて誰も知らないだろう。


アルベール家の生き残りは、もうクラウスただ一人。


人とは違う身体。

それが嫌で自殺したのが母。

猟師に殺されたのが父。

村人に殺されたのが妹。


クラウスは人があまり来ない森へと逃げ込み、今に至る。


復讐する機会をずっと伺いながら生活していた。


薬のせいで....


こんな身体になってしまった。


なのに


どうして....?







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