婚約者19
「父上には、婚礼が無かったことにしてもらうよ。僕もこんな婚礼は嫌だからね」
「ウィリアム....」
「まっ、僕と結婚したかったらいつでも言いに来ると言い。こんなブスの貰い手は僕しかいないからね」
ルミネは頬を赤くしてウィリアムを睨む。
「そ、それどういうことよ!!」
「はははっ、じゃ僕はもうそろそろ行くよ。また会おうね。ルミネ」
「もう会いたくないわよ!!バカ王子」
ウィリアムは笑いながら部屋を出ていく。
何がしたかったのか全くわからない。
「で、カイは今までどこで何をしていたのよ?」
出て行ったウィリアムに怒鳴りつけたルミネはカイトを見る。
「んー、散歩」
「随分と長い散歩だこと....」
カイトとは最後に会ったのは、四年前。一緒に雪を見たあの日。あの日だけはとても‥‥綺麗な雪景色だったと記憶に焼き付けてある。
「でさ、ルミネ」
「何?」
カイトはルミネの髪に触れる。あろうことか髪に口付けをした。
髪の口付けの意味は思慕。
つまり....
「恋しいの?あなた....」
間近で見るから良く分かる。
カイトの瞳にはルミネの困惑気味な顔。
だが、ルミネを通して誰かを見ている。
ルミネを見ているようで見ていない。
「だったら?」
「誰と重ねているのか知らないけど、迷惑よ」
ラブシートから立ち上がろうとしたルミネの腕をカイトは掴む。
カイトを見ると冷たい眼差しだったので何も言えず、睨むことさえ出来なかった
「ダメだよ。ルミネ、心を奪われたら....、そいつ、殺さなくちゃいけなくなるから。」
ゾクリと背筋が凍った。
なんでそんなことを言われなくちゃいけないんだろう....
それではまるで....




