婚約者16
意を決して、そろそろっと、ゆっくり扉を開いた。
ウィリアムはルミネと目が合うとニッコリと笑った。
でもその笑顔がどこかわざとらしく、作り物に見えて、つまらない人......と、ルミネは感じた。
「急にごめん。君と ....話をしたくて」
「私は話すことなんてないわ。さっきの....その、聞いてたわよね?」
ルミネは廊下に出て、部屋の扉を閉めると目を泳がせながら聞く。
「うん。聞いてた。大丈夫、僕も君に興味はないよ」
「じゃあ何?」
「聞いてないのか?僕らは婚約者同士で二十日には、婚約を行うって....」
「今....月....、だったりする?」
恐る恐る聞いたルミネの質問にウィリアムは頷く。
この世界では、十四歳で結婚していい歳とされている。
だからと言って何も勝手に話を進めなくたっていいと思う。
「ルミネって、言ったっけ?」
「ええ、そうよ。何?」
「案内してよ。ここ」
「は!?なんで私が....」
「王子の命令だ」
「私に命令しないで!!ちょっ....ウィリアム」
ルミネの思考を無視して手を取り、走り出した。
ニコニコと楽しそうに笑う顔が何処か悲しそうに見える。
本当は婚約なんて、嫌なんじゃないのか....
現に、ルミネは嫌だ。
「ウィリアム、あのさ....」
「あ、この部屋って客室?」
「ねぇ....」
ウィリアムは扉を見つけては開けて中を見ている。
「ウィリアム」




