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婚約者09

***


ルミタート磿 100年11月20日


あれからカイトの姿を見ていなかったルミネは当然のように大きな木の下で座っていた。


それは肌寒いを通り越している冬の季節でも彼女は厚着をして座っている。

雪が振らなかったのが不幸中の幸いだろう。


耳と鼻が赤くなって、息をする度に白い煙が立ち上る。

寒いというのに懲りない人だとクラウスは思った。


「‥‥懲りない人だ。あんたは」


クラウスはゆっくりとルミネに近付くと気配を感じたのかルミネはゆっくりと顔を動かして目が合う。


「‥‥‥‥今にも死にそうな顔だな」


ルミネはやせ細っていて、瞳には正気を感じられなかった。本当に今にも死にそうなその顔を見て、クラウスはルミネの頬に手が触れるとひんやりと冷たくなっている頬が手の温度を奪っていく。


「‥‥‥‥不思議なの‥‥不安な時はあなたに会いたくなる」


水色の瞳がしっかりとクラウスを捉えると「どうして‥‥?」って、今にも消えそうな声で言う。


「俺に聞くなよ」


困ったように苦笑するとクラウスはルミネの隣に座った。


「‥‥熱はいいの?お前、俺のところに来たの覚えてる?」

「???来た?それはいつ‥‥?」

「10月。まぁ‥‥覚えてないならいいけどさ」

「‥‥覚えてない‥‥それにやっと熱下がったの一週間前だもの。それまでの記憶が本当に曖昧で‥‥」

「疲れてんのな。」


クラウスがルミネの頭を撫でるといつもなら拗ねたように恥ずかしそうに振り払うのに今回はそれをしなかった。


「うん。ねぇ‥‥昔話聞いてくれる?」


ルミネは弱々しい声でつぶやくように言うとクラウスは頷いた。

元気がないのは自分のせいだというのに‥‥とても胸が締め付けられる思いでいっぱいだった。










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