婚約者08
「‥‥護衛は‥‥守るのが仕事じゃないの?どうして‥‥カイはお母様を守ってくれなかったの‥‥守ってたら‥‥違ったかもしれないのに‥‥」
「ルミネ様‥‥」
メイドはしゃがんでルミネを見上げ、手を握ってその手をルミネの胸に当てる。
「聞こえますか?自分の心臓の音‥‥」
言われ、集中して聞くと«ドクンドクン»と、波打ってるのがわかる。でもそれがなんだというのだろうか?
「カイト様は‥‥ルミネ様のSSです。ルミネ様だけの特別な護衛役なんですよ?」
「意味がわからないわ‥‥」
「ルミネ様を守ったんです。カイト様の性格なら1番近くにいたルミネ様なら知っていると思ったんですけど。あの騒ぎです。もし、下手に敵を刺激したら今度はあなたが死ぬかもしれない。でも‥‥」
メイドはルミネの小さい手を握りしめ、迷いのない瞳でルミネを見据える。
「敵の目的が両方なら‥‥きっとカイト様は守っていたはずです。あなたを‥‥彼の1番の仕事はあなたを守ることです。リリー様を守らなかったんじゃなくて、守れなかったんですよ。」
ルミネは横になり、見慣れた天井を見つめながら呟く
「わからないわ‥‥でも‥‥わかることは‥‥」
ルミネは深く布団を被る。
「‥‥どうしようもない怒りと責任を‥‥カイに押し付けたことだわ‥‥」
それはただの八つ当たりなのはわかっていたけど、どうにもできなかった。
怒りの感情で酷いことを言ったのはわかってる。わかってたはずなのに‥‥
ごめんなさいと、何回も謝っても彼には届かない。
届くはずもない。
彼の前で‥‥言葉で‥‥ちゃんと言っていないのだから‥‥




