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婚約者05
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足を踏み入れれば、地面は黒に染まる。視界も霧が酷くて見えずらい。
ドンッー
と、銃声の音が聞こえ、その音の方を見ると母が倒れていた。
慌てて駆け寄って触れるとドロっと母の腕が溶けて地面と一体化していく。
「~~~っ!?」
悲鳴にもならない叫び声をあげ、離れようとしたら腕をすごい力で掴まれる。
顔を強ばったルミネを見た彼女は薄く笑った。まっすぐルミネを見たリリーから一瞬にしてクラウスに変わる。ゆっくりと唇を動かす。
「許さない‥‥」
「‥‥‥‥っ。」
視界がぼやけはじめる。
***
「~~~~っ!?」
大きく目を見開き、息を切らして上半身を起こす。その時に、額にのせていた暖かなタオルが下に落ちる。
「ゆ‥‥め‥‥??」
落ちたタオルを握りしめ、周りを見渡すと自分の寝室なのだとすぐにわかった。
「ん?起きたか‥‥」
「カイ‥‥」
壁に寄りかかり、腕組みをしていたカイトとルミネは目が合った。
「‥‥弱々しいじゃん。らしくないねぇ」
「うるさい。」
そっぽを向くルミネにカイトは笑って近付く。
「どうして‥‥」
ルミネは窓から見える空の景色を眺めながらつぶやく。それが聞こえたのか、カイトは聞き返した。
「何?」
「どうして‥‥守ってくれなかったの‥‥?護衛役なんじゃないの?」




