運命の歯車14
白い花びらが血で赤に染まって行く。
こんなの夢だ。
きっと、悪い夢......
目が覚めたらきっと、
きっと......
目頭が熱くなり、涙が溢れる。
ポツポツと、ルミネの涙を隠すように雨が降り始める。
「お母様....」
力無く座り込んだルミネは母の....、
大好きな母の笑顔が浮かぶ。
「嫌よ....」
こんなのはやだ。
なんで、どうして......
震える手でルミネは女王を揺さぶる
「起きて、こんな所で寝るのは風邪をひいてしまうわ」
揺さぶる。
「ね、お母様、お願い....起きてよ。起きて、好きだと....愛してるって言ってよ」
視界が涙で歪んで見えない。それでも、揺さぶるのを止めない。
「ルミネ様」
揺さぶる手を取ったのは兵士の1人。大方、銃声を耳にして来たのだろうが、もう遅い
「なんで....」
ルミネは力無く兵士の胸板を叩く。
「なんで早く来てくれないのよ!!もう少し、早く来てくれたらお母様は....お母様は....っ!?」
認めたくない。認めたくないけど、この事実を認めないと行けないのだ。
「う......」
八つ当たりしても何も変わらないのはわかっている。
それでも、ルミネは八つ当たりをしないと気が済まなかった。
「うわぁぁー......!!」
雨が振り続ける中、ずっとずっと、ルミネは泣いていた。
その日、女王。リリー=クラージュ
三十四歳
何者かに射殺された
その日から‥‥もしかしたら、ルミネの人生が狂い始めた瞬間だったのかもしれない。




