赤ずきんと狼22
名前を言おうとしたルミネは本名を言うのをためらい、赤ずきんと名乗る
少年はすぐに本名ではないことに気付いたであろうに....
少年は「赤ずきんね」と、可笑しそうに笑って自分の名を名乗る。
「それじゃ、俺は狼ね。あんた面白いね」
「そんなことないわよ」
狼と名乗った少年の本当の名はクラウス=アルベール。
赤ずきんと名乗ったルミネに童話に出てくる狼を名乗った。
「で、本当の名は?」
クスクスと笑いながら聞いてくるクラウスにそう簡単には騙されそうにないとわかったルミネは目を逸らして言う。
「ルミネ....ルミネ=クラージュよ」
「ふーん、姫様ね。その姫様がなぜこんな場所に?」
「姫、姫って連呼しないで」
ルミネは立ち上がり、パンパンと服についたゴミを払う。
「ならルミネだな....って、どこ行くんだよ」
「帰るの!!」
クラウスのふてぶてしい態度にイラつきながら歩き出すルミネ。
「迷子なら迷子って言えよ。ここに迷い込んだんだろ?」
「あのね!!」
腕を掴まれ、ルミネは立ち止まり、クラウスを見る。
キッと睨むとクラウスは諦めたようにため息をする。
「わかった、わかった。ルミネ様。ご案内致します」
クラウスはルミネの腕を放し、手を差し延べる。
「ルミネでいい....。様はいらない。後、敬語をやめて、気持ちが悪い」
彼に敬語は似合わない。なんとなくルミネはそう感じた。
「我が儘だなぁ、あんた」
「そう?嬉しいわ」




