赤ずきんと狼20
「愛しています。お母様」
「私もよ。ルミネ」
頬への口付けは親愛への証。大好きだと込めた口付けが伝わったのか、ルミネの頬に女王は口付けをする。
「その服、よく似合っているわ」
「そう?」
「そうよ。昔を思い出すわね」
女王は懐かしむように目を細める。
「昔....か」
ルミネは一瞬、悲しそうな顔になったが、すぐに笑って女王から離れた。
「ルミネ?」
急に距離を取ったルミネを不思議そうに思い、首をかしげた。
「私、これから行く所があるの。夕方には帰るわ」
ルミネは笑いながら手を振り、女王の部屋を出た。
***
「もういいの?」
「うん....、もういいの」
部屋を出てすぐの横の壁に寄りかかっているカイトの姿を見る。
カイトはルミネに近付くなり、顔を近付ける。
「え!?何!!なんなの!?」
ルミネはいきなりのことでどきまぎしていると唇と唇が触れるか触れないかのギリギリの所でカイトは話しだす。
「あのさ..」
息がかかるたび、鼓動が早くなる。
「リボンが曲がってる」
「え....?あっ、それね」
「何を期待していたの? 」
フードのリボンを直し終わったカイトはルミネから離れた。
顔が耳まで真っ赤になっているルミネに気付いたカイトはふてぶてしく笑った。
こいつ........
ムカつく。カイトはルミネの反応を見て面白がっているだけだ。
そんな奴に一瞬でもときめいた自分が情けない。
「何だっていいじゃない。行きましょう」
ルミネは呆れつつ、歩き出した。
カイトも続いて歩き出す




