赤ずきんと狼18
だから、また楽しいショーを見せて、三人しかできない猛獣使いのショーを......
心から楽しみにしている。
そう込めて、ルミネは微笑む。
「しばらくしたらおいで、あの二人に会えるよ。退院していればだけど」
「うん!!」
クルスはルミネの頭を撫でる。それがあまりにも気持ちが良くて目を細めた。
今は無礼講だ。そうでなければクルスという男はこの世にはいないだろう。
この国の姫である、ルミネの頭を撫でているのだから......
「ルミネ様、そろそろ.......」
「わかっているわよ」
兵士はルミネの耳元で囁く。今日は、ルミネの誕生日パーティー。
あの日に出来なかったので今日行う予定だ。
十歳の誕生日パーティーを......
「クルスさん、次のショーを楽しみにしているわ」
ルミネはクルスに笑いかけ、二人のお供を連れて城への道を歩き出した。
一瞬、路地裏に入る狼の姿が見えたがそれはきっと気のせいだ。
そうであってほしい
ルミネは気のせいだと言い聞かせ、早足で歩いて行った。
***
ルミタート暦 100年8月15日
ルミネは自室の姿見鏡に映るネグリチェ姿の自分を見たあと、エプロンドレスを着始める。
ギュッとフードのリボンを結ぶと丁度いいタイミングでノック音が聞こえた。
「ルミネ様?女王様が寝室でお待ちですよ」
扉越しに聞こえるメイドの声はとても凛々しい。
クールな声を聞いたルミネはため息をして返事をした。
「すぐに向かうと伝えて」
「かしこまりました」




