赤ずきんと狼16
「冗談です」
しばらくすると飽きてきたのか、顔から手を放して笑顔をルミネに向ける。
このメイドはどこまでが冗談でどこまでが本気なのか、わからない
呆れてため息をするルミネを見て微笑み、ルミネに見えるように持ってきた洋服を広げる。
その服は、赤と白のエプロンドレス。背後の腰あたりに、大きめのリボン。
白いエプロンの端と端にはさくらんぼが描かれてある。
赤いフード(ずきん)はいたってシンプル。赤一色だ。
それにしてもこの服は、まるで....
童話の赤ずきん......
「赤ずきんちゃんみたいなお洋服ですね」
ルミネはどきりとしてメイドを見る。心を読まれたかと思って焦ったが、どうやら違うらしい
「着替えるわ」
ルミネはベットから下りると白の胸リボンと桃色のレースのネグリチェから洋服に着替え始める
***
ーゴーン‥‥
ーーーゴーン‥‥‥‥
と、午後三時の鐘が鳴る。
その鐘はすぐ近くの協会にある。
「おやつの時間だわ」
エプロンドレスを着て城下町まで歩いているルミネにお供のメイドがルミネを見る。
「なら戻りますか?」
「まさか.....」
「では、行きますよ」
メイドのすぐ横を歩いている兵士が言う。
二人共、私服で見た感じはメイドと兵士かなんてわからない。
けれど、これで本当に大丈夫なのだろうか......?
それは今更だ。もう、城を出てしまっている。
護衛なら一応、二人もいる。
なんで怯えながら生活しないといけないのだろう?
それもこれもカイトのせい。
仕事を放棄したあいつの..。
思い出しただけなのに、イライラしてきた。




