赤ずきんと狼14
「行けません、ルミネ様。命を狙われたらどうするのです」
「あの1件以来、隙を見て逃げ出すことが出来ないのよ........」
ぼそりと呟いたルミネの声はメイドの耳に届いたのか、聞き返した。
「何か言いました?」
メイドはタンスの上に色とりどりの造花を置き、笑顔でルミネを見る。
「何でもない」
メイドを見たルミネは拗ねたように頬を膨らました。
「そうですか」
再びメイドが作業し始めるのを見たルミネはため息をして外を見る。
窓の向こうは城下町が良く見える。
「猛獣使いの一家はどうなったのか....知らない?」
「え?」
「や、やっぱり何でもないないわ!!?気にしないで」
頬を赤く染めたルミネは赤くなった顔を隠すかの様に勢いよく布団を頭までかぶる。
「あー....」
メイドはふと、何かを思い出したのか、ルミネに微笑みかける。
「そういえば城下町でルミネ様にお会いしたがっていた人がいたんでした。」
「?」
ルミネは布団から顔を覗かせ、メイドを見て首を傾げた。
「街娘のお姿なら命を狙われないのではないかしら?」
その確率はかなり低めだが、メイドの言う通り、女王の娘だと思われない格好をすれば......
他人の空似だと思われるかもしれない
「そんな服、わからない。貧相な服だなんて」
城下町なら何回も行ったことがある。しかし、いちいち人の服なんて見てはいない。
見ていたとしても覚えていない。それほど、興味がなかったのだ。
「お洋服ならありますよ」
メイドは懐かしむように目を細めた。
「女王様の、ですけれど」
「お母様の?」




