赤ずきんと狼13
大方、仕事関係の事だろう。
「おっかしーなー、王様。彼女を守るのは俺の仕事なはずだ」
「ならば仕事をしろ、カイト」
カイトは宰相閣下が部屋を出た後、狙ったかのように部屋に入る。
ニコニコと笑いながら......
「仕事はしていたさ、遠くからね。まっ、ギリギリまで見ていたかっただけですよ。彼女の怯える顔は誰よりも美しい」
「悪趣味な男だな」
「お褒めいただき光栄です。王様」
カイトはずっとにこやかに笑っているため、怒る気になれない。
「まぁ良い。念のために言っておく」
「わかってます。彼女を地下室には入れさせません。もっとも、王様のことだ。そう簡単には入れないでしょうが......」
「念のためだよ」
カイトはにこやかな笑みから一変、冷たい瞳をして、背を翻した。
「俺は、面白ければそれでいい」
カイトはそう呟いて部屋を出ていく。
女王は眠り続けるルミネを見て、安堵の息をした。
生きていて、本当に良かった
今回の件は少し違って人々が大勢死んだ。
今まであんなにも死んだりしなかった。だから、二人は城下町に行ったルミネが心配だった。
一緒に行ったのがカイトだから余計だ。
そういえば......カイトっていつからssなんだっけ?
女王はふと思ったが、深く考えないようにした。
ただのど忘れで、そのうち思い出すだろうと。
けど、それは思い出せない記憶だったということに女王は気付く日など来ないだろう
その日、ルミネは朝まで起きることはなかった。
***
ルミタート暦 100年6月2日
ルミネの傷は完全に癒え、自由に城内を歩けるほど回復した。
「ねぇ......」
怪我をしてからずっとルミネのお世話をしていたメイドに話かけたルミネはベットに横になり、窓の外を見ながら聞く。
「城下町に行かせてよ。もう、自由に動ける」




