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赤ずきんと狼12

愛おしそうに抱き締める二人の腕にとても落ち着いた。

暖かな温もりに安心したからなのか、悲しくもないのに涙がポロポロと流れ落ちて止まらない。



***



王様であるオルデン=クラージュが泣き疲れて眠ってしまったルミネをベットに横にならせると肩まで布団を被せ、すやすやと眠っている我が娘の頭を優しく撫でる。


そこにいるのは王という役職ではない。

父親の姿だった。


「あなた....」

「わかっておる。お前は何も心配するな」

「でも....兵士の話が本当だとするなら」


兵士の話によると、ルミネをお城まで連れて来たのは狼だったという。


「まだ生きていたのだな」

「アルベール家の生き残り」

「この子には触れさせぬものか、お前と....その子も」




オルデンはルミネの頭を撫でながら首を女王のお腹の方に向ける。


女王のお腹はいくらか大きくなっていた。


オルデンは女王のお腹を見るなり微笑む。

女王も吊られるように笑った。


「信じているわ。ルミネには......まだ何も言わない」


何も教えてはいけない。

知らないままで......

その方がルミネの幸せの為だから....


「王様、あ、あの....」


いかにも言いにくそうに部屋に入って来たのはこの城の宰相閣下。黒いスーツに身にまとった男は七十代。白髪が目立つ。


オルデンは宰相閣下を見るなり、一瞬のうちに空気が変わる。


「全兵士に伝えろ。気を休めることは許さぬ。狼をこの城には入れてはならん。命にかえても我が娘を守れ」


宰相閣下は姿勢をただし、お辞儀をした後、部屋を出ていく。

用件を言わずに......



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