赤ずきんと狼11
猟師は、慌てふためきながら走り去って行く。
待って...行かないで....
その声は声にはなっていない。
いや、出せなかった。
唇は微かに動くのに声が出ない。
意識が途切れる寸前、狼が目の前にいた。
それを最後にルミネは静かに瞳を閉じた。
***
ルミタート暦 100年4月30日
「待って!?」
ルミネは瞳を開け、手を伸ばす。
目の前には見慣れた天井..
とても温かく寝心地がいいベットの横には白いタンス。
その上に、ガラス細工の子犬の置物。
ソファにクローゼット。
その他には、扉の近くにある姿見鏡が一枚。
後は何もないシンプルな部屋。
その部屋には似合わないシャンデリア。所々が丸くなっており、つるのようにパールが絡まっている。
ぶら下がっているピンク色のダイヤは電球の光によって輝きをます。
この部屋には勿体無いぐらいの綺麗なシャンデリア。
「ルミネ様!?」
いつもはノックをして入ってくるメイドが今回はノックもなしに入って来るなり、驚いた声をあげる。
「ノックもなしに入って来るなんて....」
無礼だと言いかけたとき、メイドはルミネの話を聞かずにスカートを翻して飛び出して行った。
「ちょっと!?いっ....」
ルミネは上半身を起こすと足が痛む。
布団をめくると片足だけ手当てしたように包帯が巻かれていた。
思い出した......。とても怖い思いをしたことを....
ベットからおりるルミネはフラフラとまだ痛い足を引きずりながら歩き出した。
扉まで後四歩の所で大好きな二人が瞳に映った。
「お母様....お父様」
「ルミネ」
二人とも、とっても美しい身なりをしていて、ルミネにとっては自慢の親だ。




