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真実14
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城から少しだけ離れた小さな古部屋。木製で出来ている扉はところところ、黒ずみが目立っている。扉を押すとすぐ目の前にベットがあり、そこで1人の女性が深い眠りについていた。
この部屋はとても狭く、少し歩けば彼女が寝ているベットにたどり着く。
天井は電球はついておらず、角のところには蜘蛛の巣がはっていたが、蜘蛛は見当たらなかった。
電球の代わりとなるものといえば蝋燭だろう。火を灯せば全体を明るくは出来なくとも間近なものを照らし出してくれる。
蝋燭に火を灯した彼、カイトはベットの近くに寄ると、椅子に腰を落とす。
「‥‥‥‥‥‥」
カイトが触れようと手を伸ばした時、目を覚まして目が合った。
辛いだろうに、彼女は柔らかな笑みを浮かべた。
「起こしたか?」
「ううん‥‥それよりいいの?ここに来て‥‥移るよ。このウイルスは感染率高いらしいから」
「俺は平気だ‥‥平気だよ」
「嘘が下手だよね‥‥カイトは‥‥それは昔からかしら」
思い出したようにクスクス笑う彼女はむせたのか、苦しそうに咳をして吐血をした。とっさに口を押さえた彼女の手が血で滲んでいる。
それを見たカイトは気が狂いそうになった。
どうにも出来ない自分の無力さが苛立ちに変える。




