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真実12
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ゴーンっと、鐘の音がどこからか聞こえる。
おやつの合図だろうか‥‥。
稽古をしている2人にはその鐘の音は聞こえていないのか、稽古をやめる気配はない。
剣と剣のぶつかり合い。クラウスは両手で必死に声を荒らげて剣を振るっている一方で、カイトは片手で剣を持って、弾きながら交わしている。表情も余裕だった。
「カイト様!!!カイト様はいらっしゃいますか??」
慌ただしく走ってきた1人のメイドは汗だくになっている顔を乱暴にふいてカイトを見た。
そのメイドの一言で2人の動きがピタリと止まる。
「ノエル様が‥‥感染しました」
「ノエルが‥‥?」
ノエルとは誰なのか、ルミネには全くわからなかったが、カイトの表情が青ざめていったので‥‥
彼にとって大切な人なのだとすぐにわかった。
「ノエル‥‥?」
「カイトの幼馴染み。んで、恋人」
「え‥‥‥‥」
クラウスは乱れた息を整えながら剣を鞘に戻すとカイトを見上げた。
「稽古ならいつでも出来るから、行ってこいよ」
クラウスはカイトの背中を押した。カイトは我に返ったようにクラウスを見るとはにかんだ笑みを向け、頷いて走り出した。




