真実11
「あんた‥‥誰?」
ルミネと目が合うと口を開いたその人はルミネは知っていた。
「赤ずきんだ。カイト」
「ふーん‥‥」
カイトは興味なさそうにルミネから視線をそらした。剣を鞘から引き出すと刃をルミネに向ける。その刃は鼻の先に当たるか当たらないかでギリギリのところで止まる。少しでも動くと傷がついてしまうという距離だった。
「君、死にに来たの?」
にこやかに‥‥嫌味でも言うようにとても爽やかに言うものでルミネは顔を引きずる。
ー‥‥カイだわ‥‥。間違いなく私の知っているカイだわ‥‥
とても懐かしい‥‥はじめに会ったときもそんなことを言われた気がする。相手を拒んで‥‥自分の領域に踏み入れられないようにする。人を信じていなかったように、彼は拒んでいた。冷たい瞳はとても寂しい‥‥
いつからだろうか?氷が溶けたように暖かな笑みを向けるようになったのは‥‥
覚えていないが彼の中で何かが変わっていったのだろう‥‥
あの時はなんて言ったっけ‥‥確か‥‥こんな言葉だった。
「殺せないわ。あなたは私を殺せない‥‥私を殺したらきっとあなたは後悔するわ」
カイトは驚いたように目を見開くとおかしそうに笑って、剣を下ろした。隣にいるクラウスは驚きすぎて反応に困っていた。
「はははっ!!?あんた、最高だね。俺にこんなこと言ったのはじめてだよ。そこの王子様は俺の睨みで腰を抜かしてたんだぜ」
笑いすぎて涙目になりながらカイトはクラウスを指さすとクラウスは頬を赤く染める。
「わ、笑うな!!!?仕方ないだろ!!‥‥‥‥怖かったんだもん」
口調が段々と弱くなって最後には呟くぐらいの音量だった。それがあまりにも可愛らしくてルミネは笑うとクラウスはさらに真っ赤に頬を染め、訂正しようとしたが笑いが止まらない。
こんなに楽しいって思ったのはとても久しぶりで、こんな日が続けばいいと思った。




