真実10
「でもなんだよ」
クラウスは頬を膨らませて拗ねた態度をとる。
「なんでもないわ‥‥騎士団って‥‥そもそも今は何月で‥‥何年なの?」
クラウスに聞くとクラウスは首をかしげ、心配そうに顔をのぞき込む。
「お前‥‥頭大丈夫か?」
「‥‥そうよね。それが普通よね‥‥。知らないものは知らないもの」
ルミネは棘が刺さったようにチクリと胸が痛んだが、知らないものをずっとそのままにしとくのも良くはないことだ。
呆られるだろうが、聞くしかないのだ。
「88年1月6日だよ。」
「1月‥‥それほど前って訳では無いのね」
「は?」
「‥‥なんでもないわ。行きましょうか」
ルミネは呟くとクラウスは聞き取れなかったのか、眉間に皺を寄せた。
「‥‥お前、変なやつだな」
部屋を出て、お互いに肩を並べて廊下を歩いていると不意にクラウスが言う。それに対してルミネは鼻で笑った。
「あら‥‥それはあなたもじゃない」
満面の笑みで嫌味を言うと、クラウスに伝わったのか皺がさらに濃くなっていった。
***
中庭まで行くと、風で黒髪を靡かせ、夕日のような瞳がまっすぐ2人を捕らえ、今にも切りかかりそうなほど殺気が満ちている。
その睨みで今にも死んでしまいそうだ。蛇睨みとはこのことを言うのだろう。
庭はなにもなくて、あるとするならば‥‥ジャリぐらいだろうか?恐らく訓練ように作られた庭だと思われる。




