真実06
「お前‥‥馬鹿じゃねーのか!?こんな真冬にこんな薄着で」
「え?えっと‥‥」
戸惑っていると小さな手でスカートを引っ張って自分の後ろを指さす。
「乗れよ。俺がエスコートしてやるぜ」
腰に手をそえて、ドヤ顔の彼に思わず笑みがこぼれる。そんなルミネにはお構い無しに手を伸ばす。
「‥‥‥‥‥‥」
太陽が直に当たり、目を細める。とても眩しいのに‥‥こんなにも寒いのに‥‥とても心が暖かくなった。
その手をとると満足したように彼は笑う。
「俺はクラウス・アルベール。あんたは?」
「あっ‥‥私は‥‥」
本名は流石にまずいので「赤ずきん」と名乗ると彼は笑った。まるでおとぎ話のようだと‥‥
彼は笑った。
その無邪気な表情はルミネは知らない。小さな温もりが手から広がる。
馬車に乗り込むとゆっくりと動き出す。ガタンガタンと、揺れながらお互いに見合わせたまま重たい沈黙が流れる。
「‥‥えっとぉ‥‥」
「お前さ、本当は何なの??俺が王子だから、目立つ格好であそこに立ってたの?」
「ち、違‥…っ!?違うの‥‥って、王子??」
「あ?なんだ。お前、知らないのか?俺は王子だぜ。思う存分、敬え!」
「‥‥‥‥‥‥敬えって‥‥民から見れば上だからって、威張って言うほどではないわよ。傲慢にはならない方がいいんじゃないかしら?」
胸を張って威張る彼にルミネは呆れた。
「自分が偉いなんて思わない方がいい。いつか、足元救われても知らないから」




