赤ずきんと狼08
横にいるであろうカイトを見るがそこには誰もいない。
ルミネは混乱しつづも周りを見渡すが姿が見当たらない。
こんな所でこんな場所に一人....
いつ殺されてもおかしくない。
ルミネは誰も居なさそうな場所を選んで走る。
所々に死体があるが、見ないようにしてただ...
ただ....走る。
路地裏に差し掛かったとき、誰かに手首を捕まれ、引き寄せられた。
壁に強く押し付けられる。
「動くなよ」
抵抗しようとしたルミネの額に銃口を向けるのは黒ずくめの男の一人。
「何が目的?」
「知って、どうするんだ?お嬢様」
にやりと男は笑う。
目的なんて何もないんだ。
この男は人を殺すのを楽しんでいる。
カイトのように....
どうしよう、にげないと....
でもどうやって?
足がすくんで動けない。素足だからというのもあるけれど
男は引き金をゆっくりと引き始める。
ダメ....
逃げることが出来ない...
ルミネは死を覚悟して強く瞳を閉じた。
そして......
うるさいほど、銃声の音が響くがどこも痛みを感じない。
不思議に思いながらゆっくりと瞳を開けると、血を流して倒れている男と銃をしっかり持ち、顔全体が隠れるような仮面に灰色のマントを身につけている男がいた。
マントについてあるフードを深く被っている男からは、動物の耳らしきものがフードを通して見える。
「行け....」
男はとても....とても冷たい声で言う。
ルミネはゾクリと恐怖を感じて震える足でゆっくりと歩き出したのだった。
ルミネの姿が見えなくなってから男はゆっくりと仮面を外した。




