はじまりのセレナーデ
偶然のようで必然の出会い。
赤ずきんは狼に興味を持ち、
狼は赤ずきんを恨んでいる。
それがどんな気持ちであれ、狼と赤ずきんは恋をした。
それはとても切なく、決して伝えることの出来ない気持ち...
一国の姫、のちに女王となるルミネ=クラージュの人生を描いた物語
運命からは逃れられない ....
*この物語はフィクションです。
人物、事件、国などは全て架空となっております。
闇が広がるここは一体どこなのだろう‥‥?
行くたび行くたび、木々が邪魔をする。これといって道という道もなく、ただひたすら獣道を歩くだけだ。
視界は霧が覆っていてよく見えない。近づくとそこに何かがあるぐらいしかわからない。
どのぐらい歩いたのかわからず、息を荒くして足がふらふらとし始めたとき建物が見えた。そこは長く続く摩天楼のように上が見えないほどとても長かった。天まで届くような建物に衝撃を受けながらも建物の扉を開く。
キィィィーー
重い扉を開けば本棚が壁1面に並べてある。ましてや階段の所にも並べてあり、分厚い本が全ての本棚に埋まっている。
図書館なのだろうと中に入ると、ひとりでに扉が閉まる。その音に驚いて後ろを振り向くのと同時に建物内の電気がすべて付いた。