プロローグ
「僕と契約しろ水無瀬 彩乃」
「いいぜ。契約だイ○キュ○ーター!」
「わ、私だって好きで露出してるんじゃないですーッ!」
「彼女はわたくしのモノですのよ?」
「愛!神が作りたもうた最上の感情だと思わない!?色欲魔!?褒め言葉ねッ!」
「俺はどこにでもいる平凡な高校生さ」
「魔法少女っていうより召喚師でいやがります」
「この魔法は誰にも負けないのッ!」
「私の前では全て朽ち果てる」
「その戦争、私様も混ぜてくれないかしら?」
「オレ、参上おおおおぉぉぉぉっ!」
「ワシが操れるのが霊だけと思っておったかの?」
「我が真の名を此処に!」
「ここでボケるとか正気かウサギィィィィ!?」
「要は言ったもん勝ち。わかりやすくていいじゃねぇか」
「我は問い続けるのである」
※ ※ ※
オッス、オラ、水無瀬 彩乃、17歳
高校の帰りに口調がどこぞの戦闘民族化してしまう程度に面倒なことに巻き込まれたぞ!
「ねぇ、子猫。そのぬいぐるみを寄越しなさい。そうすれば命は助けてあげるわよ?」
「水無瀬さん、それを彼女に渡しては駄目です!」
「……」
意味不明、摩訶不思議、有り得ない状況にアタシは現実逃避を余儀なくされていた
アイドルが着てそうなヒラヒラな服の美少女がマイク片手に破壊を撒き散らし
カウガールのようなビキニ美少女が何もないところから物体を作り出して対抗している
しかもカウガールのほうはアタシの名前を知ってるときた
そんな状況に立ち会えば誰だってそうなる
アタシだってそうなる
なんでこんなことになってしまったんだろう
思い返すがアタシは悪くない
間が悪かっただけだ
今日の星座占い蠍座は最下位だったに違いない畜生
「何をボサッとしているのですか名も知らぬ少女よ。カウガール(仮)が時間を稼いでいる内に離脱しなさいノロマ」
ぬいぐるみが落ちてたから拾い上げてみたのが悪かったんだ
まさか喋るなんて思うわけがない
しかも毒舌ときた
アタシに命令するなんて何様なんだ
「天使様です。頭が高いですよ人間」
地面に叩きつけそうになったが堪えた偉いぞアタシ
自称天使の痛い生意気なぬいぐるみをそっと地面に降ろしたアタシの成長を見ててくれたかい天国の父さん
死んでないけど
てか、心読めるんだったらアタシの名前わかるんじゃないか
まぁ、色々わけわかんねぇが今は冷静に
「逃げるんだよ~!」
背を向け非日常からの離脱を図る
今のアタシは音を置き去りにするぜ!
無事に家に着けたらアタシ寝るんだ
そしたら夢も覚めるに違いない
そしてアタシは失念していた背後にしがみつくぬいぐるみの存在を
「単刀直入に言います。魔法少女になりなさい水無瀬 彩乃」
「夢オチが良かったな畜生!」
そして自室で叫ぶことになった
あ、父さん大丈夫だから病院に連絡しなくていいから心配症すぎてウザいよ?
泣くくらいなら初めから言わせないようにしような?
いい加減、家出した母さんに土下座してこい家事が滞るだろ