倒錯
三大欲求。
睡眠欲、性欲、食欲。
このどれかが欠けてしまえば生物としてのバランスは崩れてしまう。
例えば、睡眠欲。
これが無くなれば、脳は睡眠を要求しない。
睡眠は記憶の整理、病原菌の除去、疲労回復などの効果がある。
つまり、意識がなくなるまで動き続けることは寿命をすり減らしていく行為だ。
次に性欲。
これは生物の存在理由と言ってもいい。
これが無くなってしまっても、生きてはいける。
ただし、ホルモンバランスが崩れ様々な現象が起きる。
雄であれば女性化が起きたりもする。
男なのに女性化、思考もそっちに引寄せられるのはバランスが崩れている証拠だ。
最後に食欲。
これも、無くなってしまえば直接生死にかかわる。
体を動かす原動力を求めないというのは緩やかな自殺である。
そして、不思議なことに、生き物はこのどれかが欠けるとそれを補うように欲求を強めることがある。
性欲を取り除いた生き物が、良く寝ていたり、食事量が増えたりしていないだろうか?
それは倒錯が発生しているのだ。
性欲を失った者はそれを満たす代わりに、他の欲求に代替えさせている。
つまり、三大欲求は、代わりがきくのだ。
食事は愛であり、睡眠である。
睡眠は、愛であり、食事である。
性交渉は、食事であり、睡眠である。
女性を食べる、という言い方はここがルーツであるのかもしれない。
なにが言いたいのか、だって?
私は不幸にも睾丸を失い、勃起不全になり性欲が無くなってしまった。
でも、私は幸せだよ。
なぜなら、性交渉をしなくても一つとなる方法があるからね。
この代替えということから私は天啓を受けたのだ。
つまり、愛する人を食せば、私の性欲は満たされるのだ。
私は人、それも女性しか食べられなくなってしまったが、それは私の愛なのだ。
特定の誰かを愛し続けることはない。
彼女達は私の一部となって、いまや私なのだから。
私を愛し続けるのはおかしいだろう?
あ、すまない。
そろそろ愛の営みをしなければならない時間だ。
朝に出会った女性と愛し合う予定なんだが…。
私は3Pというのも少し興味があってね、どうだいキミも?