第二話 ガバナー 総督
組織と言うモノを書くのは楽しいですね。
私自身、一体となって困難に立ち向かう組織、というものに凄く感動するタイプです。何でしょうかね、同じ目標に向かって進める人の集団が好きなのですかね……と、如何でもイイ自己分析。
僕がマナを引き連れて其処に入った時、僕は此の“異常”がマナにだけ起こっているという考えを完全に棄却した。
そのに集まっていた者たちの反応が、あまりにリアルだったからだ。
遅くなったことに対する心配、マナを連れていることへの驚き。そして何より、僕たち、いや、正確にはマナに入室直後に投げかけられた言葉だった。
「お久しぶりです、創造主様。その御尊顔を拝し、歓喜に咽びそうです。
……そしてフルーレ第五総督。創造主様より遅く到着するとは……忠誠心が欠如しているのではありませんか?」
僕に対して投げかけられた、女神を思わせる穏健さと荘厳さが合わさったような声。そしてマナに投げかけられた、天から地まで見下げ果てたような氷河期のように冷淡な声。
こんな口調の使い分け、本来のNPCにできるわけがない。
そして声を発した主は、五つある席の中の一つの上空を浮いている、赤ん坊程のサイズがあるクリスタルだった。ちょうど右半分が白、左半分が黒く輝いていて、小さい三対の翼を生やしている。これも、クリスタルのように右半分が白、左半分が黒になっていた。
「アルマ……いや、ティメイル第一総督。本体が出てこれない貴女に言われる筋合いはないな。偉大にして至高の存在たるロードの前に分身体を送り込んでいる時点で、貴女は不敬だ」
マナが反対に嘲るように言った。
そう、此のクリスタルこそ第一ヘキサゴン『大要塞』を総轄し、さらに五総督を纏め、此の軍団……GAこと“Golden Age”における総帥である僕に次ぐナンバー二の存在、アルマ=ティメイル。
いや、正確には、彼女の分身体だ。
彼女は僕が創造した最初のモンスターであり、しかもたまたま手に入れたレアアイテム『天使の息吹』によってクリエイトしたモンスターだ。
『CC』における天使というモンスターは、天使系統の中でも最下位でありながら、そこそこ強いモンスターだ。『天使の息吹』は、そんな天使のクリエイトを代償なしに行える、しかも無限に使えるアイテムだ。
限定された、つまり天使をクリエイトするときにしか使えないし、このアイテムを使わなければ天使をクリエイトできないというわけでもない。そもそもが天使自体、そこそこベテランのプレイヤーにとってはザコ敵に等しい。
それでもゲーム開始からまもなく、極稀にこのアイテムをドロップするレアモンスターに遭遇し、しかも初エンカウントで手に入った時には、思わず万歳したほどだ。
因みに『CC』ではアイテムのレア度は五ランクに分けられている。高い方から、天上級、最高位級、高位級、中位級、下位級となる。装備も同様。『天使の息吹』は高位級アイテムとなる。
『CC』ではアイテムや装備も創造可能で、オリジナルを除いただけでも、アイテムの総数は三〇〇〇近い。
話をアルマに戻そう。
アルマはモンスターの中でも一体しか存在しないと言われる究極の存在、極神というモンスターだ。此のモンスターはとある特殊イベントで僕のような神格級指揮官、しかも昇格する資格を持つモンスターを配下にしているプレイヤーが一人抽選に選ばれ、手に入れることができる。
僕は、其れに選ばれたわけだ。いや、正確にはアルマが選ばれた。
極神は聖なる存在と邪なる存在の両陣営において、頂点に君臨するモンスターだ。あらゆる能力が高い、まさに「公式チート」がそのまま具現化したようなモンスター。
しかし、欠点が一つだけある。
それは、あまりに力が強すぎて、必要コストがとんでもないというところ。モンスターを引き連れている場合、常に其れに見合った魔力が消費され、しかもモンスターの食事なども用意する必要がある。
その代わり、一定の魔力さえ供給していれば、召喚師のようにモンスターが大技を繰り出す度に魔力が必要となる、ということにはならない。言い換えれば、必要とされる魔力は、戦闘中でも平時でも不変で、一定だ。
この“一定の魔力”は、当然モンスターの階位が高ければ其れに比例して高くなる。でも、マナのような神格級モンスターでも、その量は多くない。代わりに、仮にゲーム内で寝ている最中でも、ログインしている限りは消費され続ける。
ところが、アルマの場合はその“一定の魔力”がゴッドモンスターと比べてもべらぼうに高いのだ。僕は『CC』ユーザー内でも五本の指に入る程魔力が高い(そうじゃないと、四万近いモンスターを率いることなど出来やしない)が、そんな僕でも、彼女を普通に連れていれば、一時間かそこらで魔力切れを起こすだろう。
仮にアルマ以外の全モンスターへの魔力供給を打ち切った――――其れはそのモンスターの活動停止を意味するが――――としても、二時間が限度だ。
それでは、ゲームのプレイなんてとてもできない。
そこで、僕は普段はアルマを彼女の部屋で待機させ、活動停止にならないギリギリの魔力を供給している。その力によって、アルマは此の分身体を生み出しているのだ。
此のクリスタルはアルマとリンクしており、アルマは此のクリスタルを通して情報を手に入れ、同時に発信する。
そして此のクリスタル自体、他の総督に負けない程の高い戦闘能力を持っている。そのことが、アルマの力の強大さを証明している。――――最低限度の魔力で生み出した分身で、ゴッドモンスターを叩き伏せられるということなのだから。
天上会議室は、部屋の中央に巨大な円卓、そして其れを囲むように六つの椅子が置かれている。
ピリピリした雰囲気を払拭するように、僕はわざとコツコツと大きな足音を鳴らしながら、一際豪華な椅子に腰を下ろした。同時に、マナを含めた総督全員が立ちあがって、敬礼を送る。
僕が手をかざすと、全員腰を下ろした。此れは、仕種の一種だ。如何やら、今までのコマンドも其の儘通じるらしい。
「あー、さて、諸君」
適当に言うと、その言葉を聞きもらすまいと、全員が真剣な表情で僕を見てきた。
――――やはりというべきか、コマンド以外の僕の一挙一動に反応している。……確実に、マナと同じように全員に変化が起こっている。
こうなると、五総督以外のNPC全員にも変化が起こっている、と疑った方が良いだろう。
「つい先程の事だ。……僕は、此処『大要塞』において異常を感知した。嘗てない異常である」
まさか馬鹿正直に言うわけにもいかない。しかも、マナの言動から考えるに、僕以外のNPC達は変化を自覚していない。取り敢えず、こう言っておくことにする。
「異常とは? 侵入者でも?」
「いや、其れではない。そもそも、クロノスにはGA以外の者は侵入できない」
「ええ、強力な結界が展開されていますから」
クロノスと言うのは、GAの拠点たる五つのヘキサゴンの総称だ。
マナの答えに、僕は思った。
――――あぁ、今ではそういう設定になっているのか。
確かに魔法で結界を展開することは不可能じゃあないが、ヘキサゴンに其れをする者はいない。
ゲームという運営が管理する世界のルールにおいて、ヘキサゴンへの侵入や攻撃はできないようになっているのだ。
そもそもヘキサゴンはゲーム内の異空間にあり、キーを持つ者しか入れない。そしてキーがなければ出入口たる「エントランス・スクエア」にも入れないので、攻撃も待ち伏せも偵察もできない。
キーを持つ者は、ヘキサゴンの管理人か、その者から許可をもらったプレイヤーか、管理人の配下に置かれたNPCだけだ。
言うまでもなく、他人のキーを奪うような真似はできない仕様になっている。
他者のヘキサゴンへの手出しは仮想空間内におけるプライバシー侵害にもなるので、改造ツールなどを用いて無理矢理してはアカウント停止どころか、逮捕されても文句は言えない。いや、逮捕されるのが普通だ。マナー違反の次元ではなく、最早犯罪行為なのだから。
それより、ゲーム内での設定が、仮想空間が現実のものとなっても納得できるような設定となっていることに、僕はうすら寒い思いに駆られた。
悪い予感は、今や確信に変わりつつある。
しかし、まだまだ不明な点はある。
マナの態度やアルマの口調から察するに、彼女達には僕への忠誠心は残っている――――GAメンバーの僕への忠誠心の高さはMAXになっている。全員、長い時をかけて手塩にかけて育てた成果だ――――ようだ。
そして、彼女たちの態度は人間らしくというか、知性体らしくなっている。プログラムとかの域じゃあない。
これらの変化は、GA、いや、クロノスだけなのか?
『CC』世界には三つの大陸があり、各所に「交流都市」と呼ばれる都市国家のようなものが存在する。交流都市はその都市によって規模や施設が異なり、独自の特色がある。さらに景色も全く違う。全ての交流都市を巡れば、其れだけで満足感十分の観光になるだろう。
面積は、最大クラスで首都圏くらいの巨大なモノもある。勿論、村などの小さなコミュニティもある。
プレイヤーはヘキサゴンを己の城としつつ、そういうところで他のプレイヤーと交流したり、パーティを組んだり、喧嘩したりするのだ。
交流都市にはアイテムや装備を売買できる商店街もある他、プレイヤーを支援するための施設が目白押しだ。映画館などの娯楽施設もある。
そのため大抵のプレイヤーは、自分の活動拠点となる交流都市を吟味し、その都市か近くの村などにヘキサゴンの出入口たるエントランス・スクエアを設置する。
僕の場合、“ニューキョート”という日本の京都をモデルにした交流都市の一角に、エントランス・スクエアを設置していた。
エントランス・スクエアは小さな広場で、つまりは自分の土地だ。あくまで出入り口以外の役割はないため、その面積はそれほどでもない。
交流都市には、各プレイヤーのエントランス・スクエアが密集する、“住宅地”ならぬ“スクエア地”が存在するのだ。
その都市は今、どうなっているのだろうか? もしかすれば、此の事態に陥った他プレイヤーが集まって、対策を練っているのかもしれない。
だとしたら、僕も其れに加わるべきか。情報は多いほどいい。第一、ずっとヘキサゴンにいたところで時間が過ぎていくばかりだ。
僕のヘキサゴンは軍団を養うため、完全に自己完結型となっている。水も食料も生産され続け、エナジーの心配もない。いようと思えばずっといることも可能だろう。
しかし、それはあくまでNPCの場合だ。僕自身は当然、現実世界で食事睡眠排便その他諸々をしなければならない。
『CC』内では食事や睡眠は可能だが、排便はできないし、食事や睡眠も魔力回復とか、(ゲーム内での)体力回復以上の効果は発揮しない。
此のままでは、徹夜でゲームし続けることになり、疲労でぶっ倒れてしまう。実際、VRMMO黎明期にはそんな事例が多発した。文字通り、“寝食を忘れた”せいで。今も、ジャンキーになるとそうなることがあると聞く。
ゲームをプレイ中でも、現実問題として腹は減るし、眠くなるのだ。が、ログイン中では、幾らゲーム内で食事を取り寝たところで、実際に腹が膨れるわけでも身体の疲労が回復するわけでもないし、食事したことにも寝たことにもならない。頭の中だけで、実際はゲームをし続けているのだから。
しかも、僕は一応社会人であり、リアルでは作家だ。
どうにかしてログアウトしなければマズい。
ふと、時計を見る。
相変わらず、時を刻んだままだ。
少なくとも、時間は進んでいる。
――――いや、そもそも、クロノスから出ることはできるのか?
メニューを開かなくとも、各所に設置されている転移陣で転移すれば可能だ。いや、出来れば、だ。
此の事態だ。何が起きてもおかしくはない。
やはり、僕自身が先陣を切って外に出ることは避けるべきか。
まさか、出たらゴジラとかモスラとかキングギドラとかが暴れまくっていました、何てオチにはならない――――とは言い切れないし。
しかも、僕はコマンダーだ。コマンダーは部隊を率いて戦わせるため、コストとして必要となる魔力は高いが、コマンダー自身の戦闘能力はあまり高くない。
とはいえ、流石に僕のようなゴッズ・コマンダーとなれば、単体でもかなりの実力はあり、僕自身、強力な攻撃魔法は幾つも持っている。
それでも、同じ神格級の剣士とかと比べては、かなり見劣りするのは否めない。
それに、元々種族がエルフである僕は、高い魔力がウリだけど、近接戦自体はそれほどでもない。勿論エルフでもすごいソードマンや槍騎士のプレイヤーもいるけど、其れはそうなれるように鍛えたからだ。
僕は魔力の強化とかは積極的に行ってきたけど、近接戦闘の技術はあまり持っていない。
しかも僕自身がやられれば、少なくともゲームではNPCだけの部隊は自然撤退する。チェスで言うキング、将棋で言う玉がコマンダーなのだから。
「我々は、嘗てない危機に直面した。僕はそう見ている。慌て過ぎだと軽蔑するかもしれないが、僕自身、警戒はしてもし足りないと思っている」
「滅相もありません! 創造主様を軽蔑する者がいれば、我々が平伏させ、身の程を知らしめて差し上げましょう。地獄の業火と天界の矛を持って、腸を裂き、魂ごと焼き尽くしてみせましょう」
アルマの力強い声に、全員が頷く。
……そう言えば、アルマは僕に対して強い信仰心を持っているという設定だったっけ。いや、五総督は全員そうなのだけど、アルマのは特に抜き出ている。
心の中で苦笑しながら、僕は鷹揚に頷いた。GA総帥として、決めるところは決めるべき。僕が何時も心がけていたことだ。――――まぁ、ぶっちゃければ、雰囲気作りだけど。
「其処で、準備と情報収集に専念したいと思う。
……マナ」
「はっ」
マナが立ち上がり、僕を見つめる。抑え込もうとはしているようだけど、白い頬は朱に染まり、口は三日月形になろうとピクピク動いている。
「お前の配下には、偵察・哨戒を得意とする隊がいたな。其れから一個分隊程度(一〇名)を率い、地上の周囲半径一キロ圏内をくまなく偵察せよ。
但し、戦闘は禁ずる。攻撃を受けても回避し、撤退せよ。しかし、最低限度の武装は許可する。
知性体がいた場合、可能ならば接触せよ。その時は即座に報告せよ。
時間は……そうだな、半刻だ。いかなる場合であろうとも、半刻で戻ってこい。
あぁ、それと」
僕はふぅ、とため息をついた。
「任務の遂行以上に、己と部下の命を重んじよ。損失することなく帰還してこい」
「命令を確認しました。第一空中機動旅団傘下の第一空中歩兵大隊より選抜いたします。
人選は――――」
「一任する。最高の者を選べ。戦闘能力のみならず、不用意に相手を挑発したり、襲撃したりするようなことはないように。直ぐに頼むぞ」
「は、直ちに!」
マナは敬礼し、部屋を後にした。目に見えない程高速で。
彼女は風や大気を操る。また、彼女の率いる部隊は空中戦を得意とした隊で、偵察・哨戒から奇襲や高速機動戦までこなせる使い勝手の良い部隊だ。
「――――さて……」
僕は残ったメンバーを、順々に見て回った。
「此の度の異常であるが、想定外の事も懸念される。各自、いざとなればすぐに行動できるよう、準備を頼む」
全員から是の返事が返ってくる。
「フローラ」
「はい!」
僕の声に立ちあがったのは、黄金色のショートカットに蒼い瞳を持つ、あどけなさの残る、スレンダーな美少女だ。身長は一六九センチ。右頬に、GAという二つのアルファベットをかたどった刺青がある。
第三総督、フローラ=スピネット。第三ヘキサゴン『小地球』を総轄している緑神、自然の神だ。
モスグリーンを基調としたベストにスラリとしたズボン。ベストの下には、青色のシャツを着込んでいる。右耳にはサファイアのイヤリングが三つ。左耳には、一際大きなトパーズのイヤリングが一つ。手には白い手袋をはめている。頭には、此れまたモスグリーンのトンガリ帽子。
まるでスコットランドとかの御伽噺に出てくる森の妖精のような風体だ。此れで耳が尖っていれば、確実にエルフにしか見えない。
でも、彼女の秘めたる力は、妖精なんてかわいらしいモノじゃあない。自然、つまり生命すら操れる神。天真爛漫そうな見た目が、かえって彼女の心の中の闇を引きたてているようにも感じられる。
「食料、水の確保・生産は如何なっている」
「普段通り、つまり完璧です。順風満帆、順風満帆」
歌うように軽やかな口調で、フローラは答えた。マナとは違い、何ともフランクだ。まぁ、そういう性格に設定したのは、僕だけど。
「あの、質問なのですが……御主人様の明日の、いや、今日の朝食は如何なさいますか?」
しかし、そんなフローラから、とんでもない爆弾発言が飛び出した。
「……は?」
「ですから、御主人様の御食事です。御存知かと思いますが、私の隊は補給物資の製造や輜重も担当しています。その中に、炊事担当の部隊もいます。
普段は私の配下にある総帥専用炊事班が、御主人様の御食事を一日三食担当していますが……今日は、何を御所望ですか? 昨日、質の良い黄金の蜂蜜が採れたのですよ」
当たり前のように、毎日の日課であるかのように、そう聞くフローラ。そして、周囲は其れに何も言わない。つまり、僕以外は其れが当たり前だと認識している、ということ。
それに。
「ちょっと待て、“総帥専用炊事班”だって?」
そんな部隊、聞いたことがない。GAには数多の部隊が存在する。しかし、それらは全てが僕が設立し、役割を設定したものだ。だから、大抵は覚えている。
「はい。御主人様の御食事が、我らや軍団員・メイドなどと同じというわけにはまいりませんから、普段より専門の班を……」
何故今更聞くのか。そんな内心がありありと見てとれるような怪訝な表情を浮かべつつ、フローラは説明をしてきた。
「そ、そうか……。班の者に任せる」
「はっ!」
フローラが着席したのを尻目に、僕の心の中ではハリケーンと台風がカチ合わせしたような猛烈な風に襲われていた。
彼女の言い分では、まるで僕が毎日、決まった時間に此処で食事を取っているみたいじゃあないか。
確かに、フローラの総轄する『小地球』は、GAの補給・兵站拠点も兼ねている。ヘキサゴンでは食事のために野菜・果実の栽培や、耕作、放牧、魚の養殖、養鶏、さらには養蜂まで可能だ。此の場合、牛や豚・魚etcはヘキサゴンに存在させられるNPCにはカウントされない(但し、軍馬や騎馬などはカウントされるからややこしい)。
そして、それらの管理を主にフローラが行っているのも確かだ。別に『小地球』でしか食料生産を行っていないわけじゃあないのだけど、『小地球』の食料生産施設が最も充実していて、主力であるという点は事実だ。いや、事実と言うより、僕が設定したとおりだ、というべきか。
しかし。
『CC』内において、食事はあくまで体力回復とかステータス・アップとか、要はそういう役割しか果たさない。だから僕も食事くらいはした。でも、調理は勝手に行われるし、定期的に朝昼晩食事をとることなんてない。
……まただ。現実であってもおかしくないように変わっている。
――――やはり、此処は現実なのか。
「……そして、ルカ、ヒイロ」
そう考えた方がよさそうだ。あとは、此処が何処なのか、だ。
そう結論し、僕は残る総督達に声をかけた。
メンバー総数は四万近いから、一応は軍団に入るはず……。
本作では、今まで挑戦したくとも機会がなかったことを、積極的に取り入れるつもりです。
導入部分からのスタートもその一つです。
あぁ、でも難しい……。
御意見御感想宜しくお願いします。