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混沌より出ずる軍団  作者: 皐月二八
第三章 グランドマスターズ・プレイ 盤上
29/41

第二八話 リコンファーム 再確認

 少し遅くなりました。


 今話は、今まで少なかった総督同士の絡みをメインにしてみました。

 彼女たちも彼女たちで、あれこれ話しあっているんです。

 第一ヘキサゴン『大要塞』の廊下を、一人の少女が歩いていた。

 ヒイロ=ウィルコックス。

 GA第四総督であり、四万近くの兵力を持つGAの一角を担う優秀な兵士であり、要石として重きをなす存在である。


 カン、カンと杖をつきながら歩く少女は、GAでは彼女くらいのものだ。よって周囲の者は、この音を聞けばヒイロの来訪かと思い、音が聞こえてきた方に向き直り、敬礼をする。


 GAにおいて、各ヘキサゴンを行き来するものは実はあまり多くはない。それこそ、娯楽施設への行き来くらいのもので、それができるのも当然、非番の者だけとなる。そしてGAの本分がカーキの手足となる戦闘軍団である以上、戦力減を防ぐため、非番となる者の割合は然程多くない(その代わり、休憩時間や自由時間は案外多い)。


 例外が、指揮官クラス――――それも大隊長や連隊長、旅団長といった、他ヘキサゴンで行われる会議に参加する者。そしてカーキに謁見することが許される者、即ち総督である。


 クロノスにて行われる会議は、何も総帥であるカーキが参加するものだけではない。特に軍団の基幹を成す上級幹部同士の会議――――という名の交流会や親睦会を含む――――は頻繁に行われ、しかも、ほぼ全てが『大要塞』に幾つかある会議室の何れかで行われていた。


 そのため、これら高位の者が余所のヘキサゴンを、特に『大要塞』の中をうろついているのも、それ程珍しい事態ではない。

 ヒイロに敬礼をする兵士たちの行動も、慣れたものである。


 しかし、それでも彼らを違和感を襲っていた。

 それは、ヒイロの態度から来るものだった。


 何時も眠たげな表情を浮かべている灰色の顔は、どこか歪んでいた。しかし、それがどんな感情によるものかはわからない。プラスの感情で無いことだけは確かであるが。


 が、それを尋ねる者はいない。それを指摘すべきヒイロの副官は、今はこの場にいなかった。

 第一、誰も眠れる龍の怒りに触れたくなどないのだ。“触らぬ神に祟りなし”という言葉を、これほど体現している光景もそうはないだろう。


 マイペースで部下に高圧的に当たることなど殆ど無いヒイロであるが、それが部下への思いやりや配慮で無いことは誰でも知っていた。単に、無関心であるだけだ。



「……はぁ……」



 そんな周囲の反応になど気付く事無く――――気付いたとしても改めることなど無かったであろうが――――ヒイロはおもむろに立ち止まり、ため息をついて俯いた。


 帰還したヒイロを待っていたのは――――無論、捕えた敵たちをヘウレカに引き渡した後であるが――――愛する主からのねぎらいの言葉だった。

 そしてそれが、ヒイロの心に暗い影を落としていたのだ。






「報告については、すでにある程度受けている。殊勲だったな、ヒイロ」


「……ん、勿体なき御言葉。パーフェクトな結果無しに、主の称賛など受け入れられない」



 ヴィオラとヘールボップの二人に挟まれたカーキは、執務机から身を乗り出さんばかりに笑顔を浮かべ、ヒイロに優しげな言葉を投げかけた。

 それだけで全身を快楽に支配されかけるヒイロであるが、流石にそれを表情に出すような、破廉恥な真似は見せない。



「それにしても、“白帝”か……。予想通りと言えば予想通りだが、いきなり天上級ヘヴンとは、ついているのかいないのか……判断に困るな」


「敵から、すでにある程度の情報は聞き出している」


「その敵は?」


消えた(・・・)


「そうか……」



 カーキは一瞬だけ顔を顰めるが、直ぐに笑顔に戻った。

 ヒイロは嘘は言っていない。すでに捕えられたグリーン・リバーとレッド・アースの精神は、記憶と技術と知識を引き摺りだされ、ヘウレカの手によって握りつぶされたのだから。そして現在、彼らはカオ・クロムに建設されたばかりの防衛施設の地下深くに閉じ込められていた。

 単純に、白帝の亡骸なきがらをヘキサゴンの奥深くまで持ち込むのが面倒だったからだ。


 彼らの壊れた精神は、直そうと思えばすぐに直せる。唯、今のところは使い道も決まっていないので、ヘウレカたち憲兵隊からも放置されていた。


 カーキは、それを知らない。知る意味もない。ヒイロやヘウレカにとって、彼らは研究対象であり、捕虜ではないのだ。現地協力者はキャリスタ=ベケット一人で事足りるし、足りなくなれば増やせばよい。


 そもそもGAに、今のところ戦力を拡大する予定はなかった。増やせてもそれを養いきれるかどうか、まだ微妙な点が多かったからだ。一応資源や物資、生産設備には困っておらず、不都合もないが、慎重であるに越したことはない。


 そもそもヒイロは己の身体を汚しかけた連中をカーキに跪かせるつもりなど、微塵もなかった。

 あんな連中に、偉大にして至高であるカーキの駒となる資格など無い。研究材料となれるだけでも、至上の栄誉であろう。

 粗大(ゴミ)の行方など、態々GAを統べる存在の耳に入れる必要などないのだ。


 傍から見れば、それは「上司への報連相ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を怠っている」ようにも見える。組織においてそれは厳禁であり、ともすれば消極的な反逆ともとられかねない行為だ。当然、許されるべきではない。


 が、ヒイロを含め、関係者はそんなことを考えていなかった。

 理由は単純であり、調査に関することはカーキ直々に戦略参謀局に一任されていたからだ。つまり戦略参謀局はあらゆる情報を裁き、どれをカーキに伝えるかどうかを判断する権限を持っていたのである。

 フローラやヒイロの場合、総督直々の調査ということで例外的に外されているが、それ以外の報告書はまず戦略参謀局を通してヴィオラまたはヘールボップ、そしてカーキへと行き着く。


 そして、事前にヒイロから知らされたルカの判断により、白帝を除く研究対象のことは省かれた、とまではいかないが、詳しい情報収集方法についてはあまり触れられなかった。これは研究対象となったエルフやクローラーについても同様だった。


 無論、その最大の理由は、無駄に総帥の気を悩ませる必要などない、という認識が、GAの各部署に蔓延していたというのもあるが。


 カーキとしても戦闘が避けられない以上、覚悟も決めているので、割り切るしかなかった。殆どの場合はGAは先制攻撃を受けた側なので――――そうなるように誘導したのも含めて――――カーキとしても、部下たちを咎めるわけにはいかない。あくまで優先すべきは、GAの安全と成果なのだから。



「ヘヴンが敵になり得る……。いや、最悪もっと上も、か」


「でも、以前はそれが普通だった」



 ヒイロの言葉に、カーキは苦笑する。

 これが、カーキとヒイロの意識の差だった。ヒイロにとって、神格級ゴッド級の敵との対決などほぼ日常の一幕である。

 しかし、カーキにとって、それは「ゲームだった頃」の話であり、今とはまったく異なるのだ。


 ところが、そこにまでヒイロに気付けというのも無理がある。故に、カーキは無言で苦笑を返すくらいの事しかできないのだ。

……その行為が、総督達にカーキの心を悩ませる外界への憎悪という炎に、油どころかガソリンをドラム缶ごと放り込むような事態を生んでいると気付く事無く。


 カーキの態度は、部下から見れば、外界というものへの対処に頭を悩まし、心労のあまり苦笑しているようにしか見えないのだ。



「確かにな。それと中級ミディアムの調査隊員がカチ合わせになるのは……想像したくないな」


「ん、対処法についてはパーフェクトにマニュアル化されている。それぞれがそれぞれの対処を行う。蘇生用アイテムも十分ある」



 ヒイロは淡々と、内心必死で安心材料を口に出す。それは誇張されたものではなく、事実だった。

 当然の如く、調査隊が危機に直面した際の対処法も、思いつく限り考えられていた。最優先するべきは軍団員の生存というのがカーキの指針である以上、ある意味でもっとも力が入れられたのが、危機に対する対処法の模索であった。



「……その通りだ。むやみに心配することは、部下を信頼していないも同義か。慎むべきだな」


「……それで主に反感を覚える者がいるのなら、焼き尽くすまで」



 片膝をつき、頭を垂れたまま、ヒイロは前髪で隠れた眼に凶悪な光を灯らせた。

 その言葉に肯定するかのように、ヴィオラとヘールボップが姿勢を正し、仄かに殺気を漲らせる。



「感謝する。……ところで、ヒイロ」


「ん……」


「報告書には235号が負傷し、君が毒を受けたとあったが?」



 主の声色に純粋な不安を感じ取り、ヒイロは己の心臓を絶対零度の吹雪が襲ったかのような感覚に襲われた。

 カチカチと鳴りそうな歯を気合で抑え込み、はっきりとした首肯でそれに答える。



「……大丈夫そうだな。無理は禁物だぞ? ヒイロ」


「……ん、心得ている」



 最後に深く一礼し、ヒイロはくるりと背を向けた。






「……はぁ……主に賜ったこの身を汚されかけた挙句、御心配をかけてしまうなんて」



 自制心で心中の黒い炎を押しとどめつつ、ヒイロは杖音を響かせながら、『大要塞』の廊下を歩いていた。

 言い訳はいくらでも浮かぶが、もはやそれを口にするのも億劫だ。御叱りを受ける方が、まだ気分的には楽だった。


 そして、ヒイロは一つの扉の前に立つ。

 両側に控えていたメイドが開けた扉をくぐると、そこには曲がりなりにも要塞内とは思えないような空間が広がっていた。


 コの字型の見るからに高級感が溢れるソファに囲まれ、漆黒の長方形型テーブルが置かれている。

 天井の四隅から金色に輝くランプが吊り下げられ、天井と床、壁紙は清潔感のある白だった。



「やぁ、ヒイロ、お疲れ様」



 ソファに腰掛け、長い脚を組んでいたフローラが、右手に持つグラスに入った液体を揺らしながら、もう片方の手を軽く上げた。


 それを皮切りに、そこにいた全員がヒイロを見つめる。


 白と黒の二つの輝くを放つクリスタル。

 巫女服を悠然と着こなす黒髪美女。

 フォーマルなスーツに身を包んだ男装美女。


 全員、GAで総督の地位を持つ者たちだった。


 そして部屋の片隅に、盆を持ったメイド服姿の少女が、軽く会釈したままの体勢で佇んでいた。


 この部屋は、“天空会議室”と呼ばれている。五総督だけが集まり、会議をするための部屋であるが、その内装はまるで談話室サロンを思わせる。そしてその内実も、似たようなものだった。



「……ん」



 ヒイロは全員に視線で挨拶を送り、空いているソファへと腰を下ろした。

 それに反応したのか、空中に浮かぶクリスタル―――――第一総督アルマ=ティメイルの分身体クリスタルはメイドの方にスッと動いた。



「ドートロシュ、ウィルコックス第四総督に飲み物を。フェドルの血潮で良いでしょう」



 ドートロシュと呼ばれたメイドは、さらに頭を下げ、何処からかルビーを溶かしたような液体が入ったガラスのボトルを取り出し、グラスに注いだ。

 音も無しにヒイロが座った前まで移動し、静かにテーブルの上に置く。



「悪いねドートロシュ。先任メイドの君を、この部屋に張り付けちゃってね」


「いいえ。GAの中でも総帥閣下を除けば最高位であらせられるお歴々が集まる場ならば、給仕も相応の立場であるもので当然でしょう。

 メイド長は生憎……本当に生憎、今頃総帥閣下と……あぁ、ったくもう! もう! あのひと八脚神馬スレイプニルに蹴られれば良いのに!」



 名を呼ばれたメイドは機械的な表情を一変させ、頬をぷくりと膨らませ、細い腰に両手を当てた。身長に合わない巨大な二対の白翼が、不機嫌そうにバッサ、バッサとはためかされる。部屋の隅でやらなければ、さぞかし邪魔になっていただろう。

 第一ヘキサゴン『大要塞』の先任メイド、ドートロシュ。

 漆黒のボブカットと、深紅の瞳が特徴で、背丈はヒイロよりやや低い。要するに、かなり小柄である。それに見合うような童顔だが、そのオーラは『大要塞』のメイドを率いる立場としては申し分もない程に神々しい。流石にアルマやルカと比べると、霞んでしまうが。


 高級感漂う香りが、ヒイロの鼻腔を擽る。しかし、それに何ら感情を抱くことなく、ヒイロはグラスを引っ掴み、己の心境を投影したかのような荒々しい仕種で、グラスの中身を喉へと流し込んだ。

 愛する男が見ていないからか、遠慮がない。


 ちなみにフェドルの血潮は一切の付属効果のない、『CC』における純粋な飲料物の一つである。『CC』ではユーザーの味覚も制限されているため大した意味もないのだが、「雰囲気を楽しむ」という意味では重要な存在だった。

 ある果実の汁から造られるこの飲み物はカーキの世界で言うところの果実酒にあたり、見た目も赤ワインと瓜二つだった。ゲーム上では無意味な設定だがアルコール類も含んでおり、立派な酒である。



「おいおい、まだ音頭は取っていないよ」



 そんなヒイロを軽く睨み、フローラは薄い金色の液体と氷が入ったグラスをカラコロ鳴らした。



「……どうせ、もう飲んでる」



 ヒイロはそんな緑神を眠たげな瞳のままに睨みつけた。

 睨み返されたフローラは、小さく肩をすくめた。図星であることは明白だった。



「……ま、どの道分身体(その)アルマは飲めないしね。乾杯なんていらないか」


「そうね。そんなことはロードに全てを捧げ尽くしてからすれば良い話よ」



 ドートロシュのそれよりもさらに大きい白翼を窮屈そうに動かすマナの言葉に、全員が無言という名の肯定を返した。

 それを確認した後、クリスタルがふわりとヒイロに向き直る。



「……それで、ウィルコックス第四総督――――」


「アルマさぁ、いい加減にそういう堅苦しい呼び方、止めなよ。そういうのは御主人様の前だけでいいじゃん。仮にも同期だろう?」



 ヒイロに倣うようにグラスを口元にあて、傾けたフローラが、ニヤリと笑いながらクリスタルを見つめた。

 それに反応し、クリスタルはモールス信号のように強弱の光を放つ。



「――――そうですね。……ヒイロ」


「……ん」


「白帝とかいう未知のモンスターの話は、事実ですか?」



 単刀直入に聞かれ、ヒイロは眠たげな表情のまま首肯した。



「……ん、事実。あれは天上級ヘヴンの中でもそこそこ上位だった。一対一なら、旅団長クラスでも危険だと思う。連隊長クラスも同じく。……ヴィオラやノフレテーテ、コゲツならば可能かもしれない」



「ふむ」



 湯呑を両手で抱えたルカが、静かに唸った。

 ちなみに、ヒイロが言った“危険”とは敗北するという意味ではなく、「勝てるかもしれないが、ともすれば死にかねない」という意味である。

 GAのモンスターはクリエイトされ、カーキに手塩にかけて育てられている分、通常のモンスターよりもかなり強力である。それ故に同じ天上級ヘヴンモンスターと戦っても、一方的に敗北する可能性はかなり低い。


 何より白帝には、GAのモンスターならば誰でも持っているであろう“理性”と“知性”がない。この差はかなり大きい。



「厄介ですね。アオテアロアやアタランテでも大打撃を受けかねないということですか。彼らは純粋な戦闘能力ならば、コゲツにも劣らないのですが……。

 ですが、さしたる脅威にはならないでしょう」


「多数で挑めば問題ない、そうよね? そもそもGAの戦術においては、上級幹部クラスが単身で同クラスの敵を対処するということ自体が想定外よ」


「違いない。御主人様の基本指針は多対一か多対多だ。調査任務であるが故に派遣人数が少なかったからあぁなったけど、普通はヒイロ直属の部下が何人もいる状態でヤツと戦ってただろうしね。

 君の部下にも、多くの手練てだれがいただろう?」


「……ん」



 ルカに続いてマナ、そしてフローラが意見を述べる。全員、然程脅威に感じていないことは明白だった。


 そして、彼女達の発言に間違いはない。そもそもGAは“軍団”であり、最大の特徴は大人数での連携である。だからこそ、それぞれ特色ある部隊編制が行われているのだ。その意味では白帝と特殊部隊の連中相手に単身で挑んだヒイロの方が、GAの戦術で見ればある意味異質と言える。


 これが『CC』で行われるとすれば、カーキも決してヒイロ単体で行かせなかっただろう。リスクは極限まで減らし、戦力の集中という基本中の基本を踏襲するのがカーキのスタイルである。


 これは総督も例外ではない。彼女たち五総督も、それぞれ長所と短所を持ち合わせている(あまりに他を圧倒しているため気付かれにくいが)。よって五総督全員がチームを組んで協力すれば、まさにGA最強の戦力となるだろう。現に昔(『CC』時代)は、それで多くの敵を撃破してきた。


 もっともアルマが本気で動けば(つまり本体が出てくれば)、五総督に費やすコストだけでカーキがいっぱいいっぱいになってしまうため、他の面々を動かそうにも動かせなくなるという事情もあるのだが。


 そもそも彼女たちからすれば、「あぁ、久しぶりにこうなったか」という感慨しか浮かばない。

 以前の世界ではより強敵により悪条件での戦闘を強いられもしたし、そもそも百戦錬磨の総督達にとって、今でこそそうでもないが、嘗ては自分たちより上位の存在に部下や同僚、そして愛するカーキとの連携で挑んだことも一度や二度ではないのだ。


 無論、その過程で敗北も屈辱も何度も経験している。


 そしてそれは、GAに所属している軍団員ならば大半が通った道と言えた。



「……何にせよ、創造主様の御決断次第ですが……この世界にもそれなりのモノはいる。それが分かっただけでも、収穫と言えましょう」



 アルマの一言が、結局五総督の総意となった。



「……いいなぁ、ティメイル様たちは、総帥閣下に直接御命令を頂ける立場にあるんだもの……。私は折角、総帥閣下の本殿があるここの先任メイドなのに……ったくもう! もう!」



 彼女たちの後ろで『大要塞』の先任メイドは、音を立てずに地団駄を踏むという器用な真似をやってのけていた。






 そして五総督が下した結論は、結局カーキと同じ結論になった。彼もまた、この世界が一筋縄ではいかないことを再確認したのだ。

 故に、彼はリスクを減らすために、さらに調査を進めさせる。そして実力者の投入を、殆ど躊躇わなくなるのだった。


 しかし、カーキは知る由もなかった。

 この世界もまた、GAというイレギュラーを認知しつつあるということに。






 カーキの外の世界に対する警戒心はさらに上がっていきます。

 故により実力者を送り込む→外界でとんでもないことが起こるという方程式が出来上がってしまいます。


 GAは外界への干渉を強め、外界はGAに気付き始めます。

 両者は確実に歩み寄り、最終的にどえらいことになりそうです。


 だってGA、カーキ命ですし。


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