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想定外

少し早めの撤収だが、結構な数の闇属性魔石を手に入れた。

その他の収穫は、いわゆる埋葬品、装飾品の類。

墓荒らしのようで気が引けるが、自分たちが回収しなかったら次の冒険者の手に渡るだけ。

そう考えれば罪悪感も多少は薄れる。


「あれ・・・奴らの残骸、こんなに少なかったっけ」


シャアリィの感じた違和感が、アイシャの仮説を証明する。


「この迷宮から、死者の魂や肉体は外界には出られない・・・」

「外に出られたとしても、恐らくは迷宮の敷地内だけだろうね」


それ以上深く考えるべきではない、と。

アイシャの直感が、迷宮の仕組みの理解を拒む。

しかし、既にシャアリィも気付いているのだから、アイシャも認めざるを得ない。


「これって、多分、迷宮の奥で魔人として再生されて・・・」

「そこでゾンビィやスケルトンになってるんじゃ・・・」


二人はこの街の迷宮の仕組みのひとつを理解したようだ。

だからと言って、やるべきことが変わるわけではないのだが。

それよりも二人にとって死活問題に関わること・・・それが冒険者ギルドに待ち受けていた。


「闇属性魔石の買取価格・・・一つ銅貨10枚(約100円)・・・って、ふざけてるのか?」

「そんなんじゃ、誰も魔石売りにこないだろう?」


カウンターの受付嬢は、哀れなモノを見る眼で、


「文句があるなら教会に持っていきなよ」

「一つ銅貨12枚になるよ?」

「この街じゃ、その魔石は売り物にはならんよ」

「闇の魔石なんてのは、ここじゃあ工夫すれば子供でも集められる」


需要と供給。

その一言に尽きるのだろうが、治癒述師と死霊術師くらいにしか需要のない魔石。

それに対して供給は無尽蔵なのだ・・・。


アイシャとシャアリィは職人ギルドに足を運ぶ。


「これ、融かし直しに幾らくらい掛かる?」


アイシャが、じゃらじゃらと鑑定皿に乗せたのは、金の指輪と腕輪。

レリットランスで売り捌くことのなかったゴブリン・ジェネラルから採取したものも混じっている。

職人は鑑定皿に乗った装飾品を鑑定スキルで判別する。


「まぁ、うちでこれをこのまま買い取るなら、金貨20枚」

「溶かし直しの手数料は三分だから、このブツなら銀貨60枚だな」

「本当は鑑定もタダじゃないんだがね」


シャアリィとアイシャは考える。

そして、同じ答えに辿り着く。


「これからは、ギルドのクエストも多少やらないと、だね」


世の中世知辛い。


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