閑話:術式とスキル
ロートシルトは魔導全般に造詣が深い。
一般的な術式である四大大系エレメント(水、氷結、火、火炎、地、土石、風、風雷)は当然、
民間では闇、光等と称される根源転換系術式や、
物理作用を術式化しようという試みの重力、摩擦、圧縮等の物理術式という最新のモノまでも知識に含まれる。
魔導の術式という分野は、単純なものから複雑難解なものまで、多岐に及ぶ。
しかし共通するのは、脳のイメージで精霊と干渉し、
魔力と言われる体内にある要素を元に、何かの反応を起こすという現象だということ。
その為には、再現性のある精霊干渉を行うルールが必要だ。
簡単に言えば、やりたいことを精霊に伝える言葉、それ自体を術式と言う場合もある。
シャアリィのようにイメージだけで精霊に干渉出来る者は最低限の言葉だけで済む。
さらに精霊との関わりを密接に持てば、詠唱すら必要なくなるらしい。
こればかりは修練で得られるものとは限らず、経験、体験に大きく左右される。
教会は、人体を癒す術式に特化した陽根源転換術式の大家と、魔導では定義している。
水から不純物を取り除く陽根源転換術式が治癒術式として扱われないのは、あくまで定義に由来する。
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スキルというものは、作用を示す。
術式によるスキルも、感覚習得や鍛錬で得られるスキルも存在する。
アイシャの気配遮断は、呼吸、心拍や代謝の自己制御により発揮されるスキル。
常時展開されているスキルは、パッシブと呼ばれ自分では制御不能であることが多い。
その他に手続き型スキルというものも存在する。
特定の制限をつけることで威力を底上げするものや、一定の条件でしか使えないものは威力が高い。
シャアリィのキャノンは、チャージという制限によって威力を底上げしている。
この世界にどれくらいの数のスキルがあるかということは、全く予想がつかない。
ひとの人生がひとの数だけあるように、イメージが各自によって異なるように。
世代交代しながらも、そのスキルにこだわり継承によって純度を高めることもある。
又、スキルは人間だけのものではない。
むしろ、魔物が使っていた能力を人間が取り入れたとする見方のほうが有力だ。
旧世界の人間にはスキルよりも高度な技術があった為、精霊に干渉して使うスキルはなかった。
それにも関わらず、地上の覇者として君臨していたとされる。
今となっては、その一部だけが書物として残されるのみ。
現在の世界では、人智を超えた魔物が世界各地で猛威を振るっている。




