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泥塗れの闘争に決着を

三度目の会敵ともなれば、互いの手の内も見えてくる。

ガーゴイルは数が最強のカードで、冒険者はそれを如何にバラバラにして対処するかだ。

間合いも掴んだ、どの程度で破壊出来るかも。


壊して逃げて、壊して逃げて、壊して逃げて・・・


キャノンは効果の期待できる最弱の出力で撃つ。

距離が詰まった時には、ブラストコンボやアイス・ランスで押し戻し、可能な限り囲まれない戦術を取る。

押しきれない時は、すぐに撤退。

死ぬ気で逃げる。


当初、百以上と想定されていたガーゴイルの数だが、既に撃破は百五十を超えた。

十五体倒さなければ、新たな群れが出現しないという発見があったことは大きな収穫だった。

それによって、今まで放置されていた多くの魔石を回収することが出来た。


だが、山程持ち帰ったガーゴイルの魔石のせいで、又、ガーゴイルによる犠牲者が増えた。

アイシャとシャアリィであっても、一度に十五体のガーゴイルとは戦えない。

如何に相手を分断しながら、撃破するかということを教えた所で、二人の他に出来る者などいない。


吊橋を挟んで床に染み込んだ血は随分と増えた。

そして、シャアリィ達が遺体を迷宮の途中まで運ぶ手間も。

冒険者達が、自分たちだけではガーゴイルを倒せないことを理解すると、シャアリィとアイシャは周囲から疎外された。

まるで、シャアリィ達が守銭奴であるかのように吹聴する者さえもが現れた。


「別に構わないよ」


と、当のシャアリィは気にする様子もない。


「死ぬのは私じゃないし、私なら身の丈にあった狩場を選ぶ」

「冒険者ってそういうものじゃないのかな」

「誰かの人生を気にする暇なんて、勿体ないじゃない」


時間の経過と共に、シャアリィやアイシャ、エドワードに対する負の感情は収束していった。


「誰もが気付くさ」

「俺も気付かされた」

「ネームドキラーは伊達じゃないってね・・・」

「あの娘達はイカれてるし、イカしてる」


アイシャが新しいパーティ募集の伝票を貼り付けてから、二ヶ月が過ぎた頃。

ついに、最深部のガーゴイル攻略戦が終わった。


撃破数は五百から先は数えていないらしい。

地道で泥臭いだけの戦闘の繰り返しで、数の暴力をねじ伏せた。


「いよいよ、迷宮最奥へのアタックが可能になったけど、どうするシャアリィ?」


アイシャの問いにそろそろクラス1になるシャアリィが答える。


「暫く放って置かない?」

「様子見ってことで・・・」

「別にレリットランス迷宮を絶対に踏破したいってわけでもないし」

「どんなのがいるかわからない最深部が、初見殺しじゃないとは限らないからね」

「それにここんとこ私達、ちょっと働き過ぎたでしょ」

「そのうち、有力のパーティが嗅ぎ付けてアタックするよ」

「一発クリアなら、おめでとう!で、いいじゃん」


シャアリィは、レベルも精神も随分と成長したようだった。


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